2013年9月8日日曜日

Geopolitical Factors Generate Cash Flow to Southern Hemisphere.

先週は南半球通貨の反発が際立つ展開でした。
AUDUSD DAILY ⇒ Solid Recovery.
AUDJPY DAILY ⇒ More than Recovery.













NZDUSD DAILY ⇒ Bouncing Back.












NZDJPY DAILY ⇒ Back to Previous High.












AUDもNZDも対円、対ドルでの上昇は週を通した動きと言ってよいので、金曜日の雇用統計で米ドルが失速したので南半球通貨が復活している訳ではない事は明白ですね。

色々な背景がありますが、私は次の2点が特に大きいのではないかと思います。

1 リスク量の縮小

これは世界景気の減速シナリオを織り込む形で南半球通貨が売り込まれて来た流れが前提です。コモディティ通貨でもあり、高金利通貨でもある中で先行きの利下げ余地などもこれらの通貨をショートに維持する背景になっていました。
 このシナリオは米国のTapeing議論の影響はあまり受けないと思われていましたが、ここへ来て急速にシリア問題が深刻化し、米国の軍事行動の可能性に注目が集まった事から世界中の投資家が手元のポジションの縮小を開始したのだと思われます。ロングポジションは売り、ショートポジションは買い戻す訳ですので、AUDやNZDには買いが入っていたと言う事です。

2 地政学要因

もう一つの要因は、シリア問題とこれに端を発する米国とロシア、中国の対立軸や中東問題の複雑化と深刻化の問題です。既に袋小路的なジレンマ状態にある米国の覇権の弱体化が明白となってしまっており、米国の影響力の縮小が世界中に強く印象付けられる流れやこれに伴うオバマ政権のレイムダック化リスクも急浮上しています。

こうなると大きな資本を運用している人達は資金の置き場をどうするのでしょうか?
 中東、アフリカ、米国、ロシア・・・と言った問題や紛争のある地域からの物理的な距離感と言うものも重要なファクターとなる事は明白です。

かつては永世中立国として資本流入が流れ込んだスイス金融界には、従来の秘密主義撤回の流れも進行中であり、豪州やニュージーランドへの資本移動も起き易い状況である事は明らかでしょう。

今後のシリア問題の深刻化次第ですが、為替市場では南半球通貨が反発以上の大復権を成し遂げる可能性も出てきているかもしれませんね。