10月21日(月)~25日(金)の週の簡単なReviewです。
1 Key Events.
①米国
・9月雇用統計⇒予想下回る内容。
・非農業部門雇用者数⇒+14.8千人(予想+18千人)。
・失業率は7.3%⇒7.2%に低下。(2008年11月以来の低水準)。
・7月分下方修正、8月分上方修正。ネットでは+9千人の上方修正。
・8月貿易収支⇒赤字拡大($38.8bio)。
・9月耐久消費財受注⇒+3.7%(予想+2.0%)。
②中国
・突然の金融引締め観測台頭。
・中国人民銀行が公開市場操作を見送り⇒7日物レポ金利上昇へ。
・週ベースで580億元の資金吸収。
・北京では市当局が不動産業者に価格ガイダンスを提示。
従わないと取引禁止へ。
③カナダ
・BOC政策金利据置き(1%)⇒予想通り。
・声明文で引締めバイアスを削除⇒サプライズ。
④英国
・BOE議事録⇒政策金利据置き(0.5%)は全会一致(9-0)。
・第三四半期GDP⇒+0.8%(qoq)。3四半期連続成長。
2010年第二四半期以来の最高値。
⑤欧州
・スペイン中銀第三四半期GDP見込み+0.1%(qoq)。
⇒約2年振りにリセッション脱出へ。
・独10月IFO107.4に低下(予想108.0)。半年振りの下落。
⑥日本
・9月CPI+0.7%(yoy)。10月東京地区CPI+0.3%(yoy)。
2 金融市場
①株式市場
・米FRBのTaperingは早くて3月との観測に米株上昇。
・S&P500は史上最高値$1,759.77で越週。
・欧州株も上昇⇒DAX最高値更新⇒eur9千突破。
・英FTSEも上昇。
・アジア株は下落。
日経平均14,088.19(▲473)、香港HSI22,698.34(▲641.8)
上海2.132.96(▲60.82)
②債券市場
・米長期金利続落⇒10年債利回り2.503%(先週2.589%)。
③為替市場
・米ドル続落。欧州通貨上昇。アジア通貨反落。
南半球通貨大幅下落、カナダドル下落、日本円はレンジ。
④商品市場
・基本上昇。
・貴金属も反発上昇。
2013年10月28日月曜日
AUD,NZD andCAD : Sudden Turnaround.
好時魔多し・・・・・・・
コモディティ通貨の急反落には驚きました。引き金は中国による事実上の金融引締めと言う想定外の事象であり、カナダには中銀が引締めバイアスを取り払うと言う想定外も加わりました。
これら通貨には米国がQE3を継続せざるを得なくなったとの思惑(Taperingの見送り)による資本流入が多かったので、上記の想定外の材料により唐突に梯子を外された格好となりました。
米ドルも弱い中で急速にコモディティ通貨からも資本が逃げてしまうのですから、受益者は欧州通貨や貴金属と言う展開だったと言う流れですね。
コモディティ通貨の急反落には驚きました。引き金は中国による事実上の金融引締めと言う想定外の事象であり、カナダには中銀が引締めバイアスを取り払うと言う想定外も加わりました。
AUDUSD DAILY ⇒ Correcting or...........? |
NZDUSD DAILY ⇒ Amazing Move. |
USDCAD DAILY ⇒ Even USD Jumped vs CAD. |
これら通貨には米国がQE3を継続せざるを得なくなったとの思惑(Taperingの見送り)による資本流入が多かったので、上記の想定外の材料により唐突に梯子を外された格好となりました。
米ドルも弱い中で急速にコモディティ通貨からも資本が逃げてしまうのですから、受益者は欧州通貨や貴金属と言う展開だったと言う流れですね。
Gold and Silver : Bottomed ?
米ドルの不人気にコモディティ通貨の突然の不調もあって(?)か、先週の貴金属は持ち直しの気配を強める動きをしています。
一気に復調しきれる感じでもないのでしょうが、ファンド業界の解約、清算のフローによる売り玉は一段落したと考えて良いのではないでしょうか。
GOLD DAILY ⇒ Struggling Higher. |
SILVER DAILY ⇒ Hanging on. |
2013年10月27日日曜日
DXY(Dollar Index) is Under Continuous Pressure.
DXY(ドルインデックス)の下落が要注意水準に到達しています。以下のチャートの通り80割れで注目されてから短期間で79も割っており、78台後半で踏み止まれないと2011年につけている72.69と言う水準が視野に入る程のベアトレンドになる可能性が指摘されています。
Dollar Index ⇒ Breaking Supports. 価格、MACD、RSIと全て右下がりというチャートなのですが、 債務上限引上げ騒動や弱い雇用統計という米国の要因に加え て、スペインが少なくともデータ上はRecessionを脱したと言う観 測も強まってユーロが大きく買い越されている状況があります ので、10月末~11月にはしっかりとドル総体の動きに注目し ていく必要がありそうです。ドル円への波及状況も注意です。 |
EUR Gains Momentum.
ユーロが対ドルでの上昇がいよいよ1.38をつけてきました。ここからは反落期待と言う勢力も多いようですが、既に想定外の上昇をしている事から1.4台を臨む動きになる可能性も否定できません。
ユーロの対ドルの上昇は単なるドル安の影響だけではなく、資本流のデータを見ても足元の欧州圏への資本流入は他地域のそれをしっかり凌駕していますし、スペインのリセッション状態からの脱出などのサプライズも効いています。従ってユーロは対英国ポンドでもしっかりと上昇軌道を描いてきました
特にユーロの対ドル相場は、欧州首脳(仏、独)からの米国への携帯電話の傍受疑惑への強い抗議など、政治要因も入ってきそうな気配がありますのでVolatilityの上昇にも注意したいところです。
EURUSD DAILY ⇒ JUMPED! |
ユーロの対ドルの上昇は単なるドル安の影響だけではなく、資本流のデータを見ても足元の欧州圏への資本流入は他地域のそれをしっかり凌駕していますし、スペインのリセッション状態からの脱出などのサプライズも効いています。従ってユーロは対英国ポンドでもしっかりと上昇軌道を描いてきました
EURGBP DAILY ⇒ JUMPED! |
特にユーロの対ドル相場は、欧州首脳(仏、独)からの米国への携帯電話の傍受疑惑への強い抗議など、政治要因も入ってきそうな気配がありますのでVolatilityの上昇にも注意したいところです。
Top FX Movers of the Week.(Oct.21st. - Oct.25th. 2013)
10月21日(月)~25日(金)の週次ベースの主要通貨ペア動向です。
通貨ペア ↑↓ 週終値 週始値 変動(pips) 変動(%)
上記通貨ペアの分解結果は以下のようになります。
上昇通貨 ⇒ CHF(3回),EUR(3回),JPY(2回),GBP,USD
通貨ペア ↑↓ 週終値 週始値 変動(pips) 変動(%)
①NZDCHF ↓ 0.7387 0.7666 -279 -3.78%
②EURNZD ↑ 1.6671 1.6075 +596 +3.58%
③NZDJPY ↓ 80.62 83.13 -251 -3.11%
④GBPNZD ↑ 1.9524 1.8990 +534 +2.74%
⑤NZDUSD↓ 0.8276 0.8501 -225 -2.72%
⑥CADCHF↓ 0.8538 0.8761 -223 -2.61%
⑦EURCAD↑ 1.4426 1.4082 +344 +2.38%
⑧AUDCHF↓ 0.8552 0.8724 -172 -2.01%
⑨CADJPY ↓ 93.17 94.99 -182 -1.95%
⑩EURAUD↑ 1.4403 1.4141 +262 +1.82%
下落通貨 ⇒ NZD(5回),CAD(3回),AUD(2回)
米ドル自体の持続的ベア相場が目を引きますが、それ以上に欧州通貨の上昇力とコモディティ通貨の失速感が顕著だった事がわかります。
スペインなどの欧州の改善傾向による欧州通貨の上昇と中国の金融引締めによるアジア通貨、コモディティ通貨の失速が両者のクロス取引(NZDCHF,EURNZDなど)の値幅が大きいのも頷けますね。
The Final Round Rush : How They Finished the Week.
10月25日(金)の北米市場、最後の4時間の主要通貨ペア動向です。
通貨ペア ↑↓ 終値 始値 変動(pips) 変動(%)
通貨ペア ↑↓ 終値 始値 変動(pips) 変動(%)
①NZDCHF ↓ 0.7387 0.7401 -14 -0.19%
②CADCHF ↓ 0.8538 0.8551 -13 -0.15%
③NZDJPY ↓ 80.61 80.71 -10 -0.12%
④EURNZD ↑ 1.6671 1.6652 +19 +0.11%
⑤USDCHF ↓ 0.8925 0.8935 -10 -0.11%
⑥GBPCHF ↓ 1.4429 1.4443 -14 -0.10%
⑦CADJPY ↓ 93.17 93.26 -9 -0.10%
⑧EURCAD↑ 1.4426 1.4413 +13 +0.09%
⑨AUDNZD↑ 1.1570 1.1561 +9 +0.08%
⑩NZDUSD↓ 0.8276 0.8282 -6 -0.07%
通貨ペアの分解結果は以下の通りです。
上昇通貨 ⇒ CHF(4回),EUR(2回),JPY(2回),AUD,USD
下落通貨 ⇒ NZD(5回),CAD(3回),USD,GBP
先週は火曜日に注目の米9月雇用統計があった分、週後半の動きは総じてConsolidationモードだったように思います。
2013年10月20日日曜日
Well-Tuned EIGO. : FEED THE MONKEY.
サッカーで英国がポーランドに勝ってワールドカップ出場権を手にした後、祝勝ムードも束の間、ハーフタイムに監督が使用した言葉が人種差別的であるとの批判が巻き起こりました。
大した事ではないと受け流そうとしたものの、批判の高まりを受けて監督は公式に謝罪すると言う事態に追い込まれたと言う出来事がありました。(詳細は以下のリンクで)
http://www.dailymail.co.uk/news/article-2465550/Roy-Hodgson-apologises-feed-monkey-joke.html?ito=feeds-newsxml
問題となった言葉は、Feed the Monkey でした。
ハーフタイムに各選手の役割を再確認した際に、作戦上の自身の役割を再確認してきた選手Aに対して、選手Bにパスを出せという指示を出した際に以下の言葉を添えたそうです。
‘It’s like the old Nasa joke – feed the monkey’.
直訳すれば、「NASAの古いジョークのようだが、サルに餌をやるんだ」と言う事になります。
非常に運が悪い事に、このパスを貰う方の選手が混血の選手だった事からチーム内の一部に監督がこの混血の選手を侮蔑的に表現していると言う印象が持たれたと言うのが背景です。
スター選手のルーニー選手やこの混血の選手本人からも監督にそのような意図は無かった筈であり、批判は誤解に基づくものだと言う監督擁護の声明が出されたものの結局は公式な謝罪声明を出さざるを得ないところまで追い込まれたということです。
NASAの古いジョークと言うのは、かつてNASAが猿に宇宙船の基本操作を訓練した上で、人間の宇宙飛行士にこの猿を同乗させて宇宙に送り込んだ時のエピソードです。
次々に訓練通りに猿に指示を出す管制官に対して、退屈した人間の宇宙飛行士が自分は何をすればいいかと質問した際に、「君は後で猿に餌をあげてくれ」と返答したと言うものです。
恐らく監督は、このエピソードに準えて、自分の役割の遂行に徹するように指示を出したと言う事かと思います。それがあたかも猿に餌をやる⇒混血の選手にボールを与えると言う意味で使われたと言う批判を受けてしまったのでしょう。
Communicationと言うのは本当に難しいと思います。これはナショナルチームの話ですが、通常のリーグ戦ではどこもマルチナショナルな選手構成ですのでもっと言葉遣いには気を遣う必要があるのかもしれません。英語が堪能な政治家でも重要な交渉にはプロの通訳をつけることも多いと言うのも頷けますね。
Communicationの肝は、自分が何を言うかではなく、相手が何を聞くかだと言います。ある書籍で出会った”It is not what you say, but what they hear that really counts.”と言う言葉を思い出しました。
それにしても考えてしまうのは、このFeed the monkeyと言う言葉が慣用句のように別の意味で使用される事もあることです。
具体的には、いけないとしりながらやってしまうことを意味します。ちょっとやめられない、とまらない・・・かっぱえびせんのような意味です。多分観光地などで「猿に餌をあげないでください」と言う説明を受けてもかわいい顔の小猿などが近づいてくると思わずお菓子をあげてしまうという行為から来ているのではないかと推察しています。
例えば、野球で内角高目の速球で上体を起こされた後に、外角低めのカーブを投げられて腰が引けたまま空振り三振を繰り返す・・・・・或いは高目のつり玉に手を出すなと言う指示を受けても実際に打席に立つと無意識に手を出してしまう・・・そういう時に解説者が言うのが、
He is feeding the monkey again. と言う英語です。
悩ましいじゃーありませんか・・・・・
大した事ではないと受け流そうとしたものの、批判の高まりを受けて監督は公式に謝罪すると言う事態に追い込まれたと言う出来事がありました。(詳細は以下のリンクで)
http://www.dailymail.co.uk/news/article-2465550/Roy-Hodgson-apologises-feed-monkey-joke.html?ito=feeds-newsxml
問題となった言葉は、Feed the Monkey でした。
ハーフタイムに各選手の役割を再確認した際に、作戦上の自身の役割を再確認してきた選手Aに対して、選手Bにパスを出せという指示を出した際に以下の言葉を添えたそうです。
‘It’s like the old Nasa joke – feed the monkey’.
直訳すれば、「NASAの古いジョークのようだが、サルに餌をやるんだ」と言う事になります。
非常に運が悪い事に、このパスを貰う方の選手が混血の選手だった事からチーム内の一部に監督がこの混血の選手を侮蔑的に表現していると言う印象が持たれたと言うのが背景です。
スター選手のルーニー選手やこの混血の選手本人からも監督にそのような意図は無かった筈であり、批判は誤解に基づくものだと言う監督擁護の声明が出されたものの結局は公式な謝罪声明を出さざるを得ないところまで追い込まれたということです。
NASAの古いジョークと言うのは、かつてNASAが猿に宇宙船の基本操作を訓練した上で、人間の宇宙飛行士にこの猿を同乗させて宇宙に送り込んだ時のエピソードです。
次々に訓練通りに猿に指示を出す管制官に対して、退屈した人間の宇宙飛行士が自分は何をすればいいかと質問した際に、「君は後で猿に餌をあげてくれ」と返答したと言うものです。
恐らく監督は、このエピソードに準えて、自分の役割の遂行に徹するように指示を出したと言う事かと思います。それがあたかも猿に餌をやる⇒混血の選手にボールを与えると言う意味で使われたと言う批判を受けてしまったのでしょう。
Communicationと言うのは本当に難しいと思います。これはナショナルチームの話ですが、通常のリーグ戦ではどこもマルチナショナルな選手構成ですのでもっと言葉遣いには気を遣う必要があるのかもしれません。英語が堪能な政治家でも重要な交渉にはプロの通訳をつけることも多いと言うのも頷けますね。
Communicationの肝は、自分が何を言うかではなく、相手が何を聞くかだと言います。ある書籍で出会った”It is not what you say, but what they hear that really counts.”と言う言葉を思い出しました。
それにしても考えてしまうのは、このFeed the monkeyと言う言葉が慣用句のように別の意味で使用される事もあることです。
具体的には、いけないとしりながらやってしまうことを意味します。ちょっとやめられない、とまらない・・・かっぱえびせんのような意味です。多分観光地などで「猿に餌をあげないでください」と言う説明を受けてもかわいい顔の小猿などが近づいてくると思わずお菓子をあげてしまうという行為から来ているのではないかと推察しています。
例えば、野球で内角高目の速球で上体を起こされた後に、外角低めのカーブを投げられて腰が引けたまま空振り三振を繰り返す・・・・・或いは高目のつり玉に手を出すなと言う指示を受けても実際に打席に立つと無意識に手を出してしまう・・・そういう時に解説者が言うのが、
He is feeding the monkey again. と言う英語です。
悩ましいじゃーありませんか・・・・・
Well-Tuned EIGO : GO A LONG WAY TO .....
前項の続きです。
英国の監督が自分が人種差別主義者(=Racist)ではないと弁明する際の英語が味わいのあるものでした。
You would have to go a long way to find somebody who is less racist than me.
私よりも人種差別的ではない人を探すのは大変だろう
⇒自分は決して人種差別的ではない。
古い世代の英国人ならば、文法的に最後の部分を訂正して、
You would have to go a long way to find somebody who is less racist than I am.
とするかもしれませんが、覚えておくと応用が利きそうな言い回しではないでしょうか。
またこの部分はどうでしょうか。
I have coached almost everywhere in the last 37 years, worked with all kinds of people, so this intimation of racism – you can hardly call it a story – is so saddening.
自分は指導者としてこの37年間世界中あらゆる地域であらゆる人種の人々と苦楽を分かち合ってきただけに、人種差別と関連付けられる事は・・・・拡大解釈もいいところだが・・・・とても辛い事だ。
この,"You can hardly call it a story"と言う部分は、状況から上記のように解釈しますが、文脈次第では真逆の意味で使用される事例も目にします。
hardly call it a story ⇒ 殆どstoryと呼べない ⇒筋が通らない、議論の飛躍だ。
hardly call it a (fictitious) story⇒作り話とは言い切れない⇒一概に否定出来ない。
storyという単語にはいくつものストーリーがあるので、意味は状況で判別すると言うことですね。
英国の監督が自分が人種差別主義者(=Racist)ではないと弁明する際の英語が味わいのあるものでした。
You would have to go a long way to find somebody who is less racist than me.
私よりも人種差別的ではない人を探すのは大変だろう
⇒自分は決して人種差別的ではない。
古い世代の英国人ならば、文法的に最後の部分を訂正して、
You would have to go a long way to find somebody who is less racist than I am.
とするかもしれませんが、覚えておくと応用が利きそうな言い回しではないでしょうか。
またこの部分はどうでしょうか。
I have coached almost everywhere in the last 37 years, worked with all kinds of people, so this intimation of racism – you can hardly call it a story – is so saddening.
自分は指導者としてこの37年間世界中あらゆる地域であらゆる人種の人々と苦楽を分かち合ってきただけに、人種差別と関連付けられる事は・・・・拡大解釈もいいところだが・・・・とても辛い事だ。
この,"You can hardly call it a story"と言う部分は、状況から上記のように解釈しますが、文脈次第では真逆の意味で使用される事例も目にします。
hardly call it a story ⇒ 殆どstoryと呼べない ⇒筋が通らない、議論の飛躍だ。
hardly call it a (fictitious) story⇒作り話とは言い切れない⇒一概に否定出来ない。
storyという単語にはいくつものストーリーがあるので、意味は状況で判別すると言うことですね。
Review of the Week.(Oct.14th - Oct.18th.2013)
10月14日(月)~18日(金)の週の簡単なReviewです。
1 Key Events.
①米国
・10月Empire State製造業指数⇒1.5に大幅低下。
・Fitch⇒米債のAAA格付をNegative Watchに⇒米国への強い警鐘。
Fitch continues to believe that the debt ceiling will be raised
soon, the political brinkmanship and reduced financing
flexibility could increase the risk of a US default".
・Beige Book(8/26~10/7)⇒企業調査で政府債務状況に強い懸念。
Philadelphia, Richmond, Chicago, Kansasの4地区に失速の兆し。
・債務上限問題で政府・議会が合意。
a.財務省の借り入れ権限を2月7日まで延期。
b.政府ファンディング権限は1月15日まで延期。
c.上院(民主党優勢)は81-18、下院(共和党優勢)は285-144
で可決。
d.共和党は引き続きObamacareは断固阻止を表明。
・S&P⇒政府機能部分閉鎖の経済損失を$24bioと試算。
・シカゴ連銀Evans総裁⇒政府機能部分閉鎖の影響の見極め
には2回のFOMC会合が必要。
・ダラス連銀Fisher総裁⇒次回会合ではTaperingを議題にする
事すら困難。
・9月雇用統計 ⇒ 22日(火曜日)に発表へ。
②豪州 / ニュージーランド
・豪RBA議事録⇒緩和バイアス継続もハト派色は弱まる内容。
・豪NAB第三四半期事業信頼感大幅改善。
・NZ第三四半期CPI⇒+0.9%(qoq),+1.4%(yoy)
③欧州
・10月独ZEW⇒センチメントは52.8に予想以上の改善。
・10月欧州圏ZEW⇒センチメントは59.1に改善も改善幅は予想
を下回る。
・8月欧州圏経常黒字⇒eur17.4bioに拡大。
・ECB首脳⇒来週のLTRO返済額は市場予想を上回る
eur5.2bioと発表。
・3銀行が第一次LTRO分eur105mio、9銀行が第二次LTRO分
eur5.094bioを返済へ。
④英国
・9月CPI⇒+2.2%(yoy)
・9月PPIinput、PPIoutputは夫々+1.1%、+1.2%に低下。
・9月失業保険新整数⇒▲41.7千件と市場予想の約2倍の減少。
失業率は7.7%と横ばい。
・9月小売売上高⇒+0.6%と予想以上の上昇。
⑤カナダ
・8月製造業出荷⇒▲0.2%に低下。
・9月CPI⇒+1.1%(yoy)、コアCPI⇒+1.3%(yoy)。
⑥中国
・第三四半期GDP⇒+7.8%(yoy)に回復(前四半期+7.5%)。
2 金融市場
①株式市場 / 債券市場
・株式上昇⇒米S&P500は木、金と連日の最高値更新。
・週次ベースでDow+1%、S&P500+2.4%、Nasdaq+3.2%。
・Google,MorgamStanleyなどが好決算。
・債券市場は価格上昇(利回り低下)。
・米10年債利回りは2.59%で越週。
・週安値は2.54%で7月24日以来の低金利。
②商品市場
・ドル下落もあってコモディティは全般的に上昇。
・金は債務上限問題合意後に約3%の急騰。
・原油価格も上昇。
③為替市場
・債務上限問題決着後にドル売り⇒ドルインデックスは8.5ヶ月
ぶり安値へ。
・一応の不透明感払拭で足元は主要通貨では南半球通貨
が上昇。
・新興国通貨も相応の反発。
・EURやGBPも対ドルのレジスタンスをブレイクした水準。
1 Key Events.
①米国
・10月Empire State製造業指数⇒1.5に大幅低下。
・Fitch⇒米債のAAA格付をNegative Watchに⇒米国への強い警鐘。
Fitch continues to believe that the debt ceiling will be raised
soon, the political brinkmanship and reduced financing
flexibility could increase the risk of a US default".
・Beige Book(8/26~10/7)⇒企業調査で政府債務状況に強い懸念。
Philadelphia, Richmond, Chicago, Kansasの4地区に失速の兆し。
・債務上限問題で政府・議会が合意。
a.財務省の借り入れ権限を2月7日まで延期。
b.政府ファンディング権限は1月15日まで延期。
c.上院(民主党優勢)は81-18、下院(共和党優勢)は285-144
で可決。
d.共和党は引き続きObamacareは断固阻止を表明。
・S&P⇒政府機能部分閉鎖の経済損失を$24bioと試算。
・シカゴ連銀Evans総裁⇒政府機能部分閉鎖の影響の見極め
には2回のFOMC会合が必要。
・ダラス連銀Fisher総裁⇒次回会合ではTaperingを議題にする
事すら困難。
・9月雇用統計 ⇒ 22日(火曜日)に発表へ。
②豪州 / ニュージーランド
・豪RBA議事録⇒緩和バイアス継続もハト派色は弱まる内容。
・豪NAB第三四半期事業信頼感大幅改善。
・NZ第三四半期CPI⇒+0.9%(qoq),+1.4%(yoy)
③欧州
・10月独ZEW⇒センチメントは52.8に予想以上の改善。
・10月欧州圏ZEW⇒センチメントは59.1に改善も改善幅は予想
を下回る。
・8月欧州圏経常黒字⇒eur17.4bioに拡大。
・ECB首脳⇒来週のLTRO返済額は市場予想を上回る
eur5.2bioと発表。
・3銀行が第一次LTRO分eur105mio、9銀行が第二次LTRO分
eur5.094bioを返済へ。
④英国
・9月CPI⇒+2.2%(yoy)
・9月PPIinput、PPIoutputは夫々+1.1%、+1.2%に低下。
・9月失業保険新整数⇒▲41.7千件と市場予想の約2倍の減少。
失業率は7.7%と横ばい。
・9月小売売上高⇒+0.6%と予想以上の上昇。
⑤カナダ
・8月製造業出荷⇒▲0.2%に低下。
・9月CPI⇒+1.1%(yoy)、コアCPI⇒+1.3%(yoy)。
⑥中国
・第三四半期GDP⇒+7.8%(yoy)に回復(前四半期+7.5%)。
2 金融市場
①株式市場 / 債券市場
・株式上昇⇒米S&P500は木、金と連日の最高値更新。
・週次ベースでDow+1%、S&P500+2.4%、Nasdaq+3.2%。
・Google,MorgamStanleyなどが好決算。
・債券市場は価格上昇(利回り低下)。
・米10年債利回りは2.59%で越週。
・週安値は2.54%で7月24日以来の低金利。
②商品市場
・ドル下落もあってコモディティは全般的に上昇。
・金は債務上限問題合意後に約3%の急騰。
・原油価格も上昇。
③為替市場
・債務上限問題決着後にドル売り⇒ドルインデックスは8.5ヶ月
ぶり安値へ。
・一応の不透明感払拭で足元は主要通貨では南半球通貨
が上昇。
・新興国通貨も相応の反発。
・EURやGBPも対ドルのレジスタンスをブレイクした水準。
Devided States of America? : Leaving the World Uncomfortably Confused.
Dollar Index ⇒ Losing Ground After the Deal. |
米国の政府と議会の債務上限を巡る駆け引きは金融市場にもその先行きにも大きな爪痕を残した可能性があります。
ねじれ議会は判りますが、下院共和党が断固反対するオバマケア(国民皆保険)阻止の為に、まさか国家財政の資金繰り問題を人質にするような戦略は木を見て森を見ず的な失敗ではなかったのかと危惧します。
現在は先進国はどこも問題を抱えており、お互いがそこをあまり攻撃しない形での微妙な秩序と安定が保たれていると言って良いと思います。(詳細は敢えて深入りしませんが・・)
その中で、米国は自ら腸をさらけ出すような事をしてしまってはいないかと心配になります。
下院の共和党勢力の有力基盤はあのTea Partyです。彼らの主張は色々ありますが、建国の父達(Founding Fathers)が定めた国是に反するような米国の現状を是正しようと言うのがその根本思想であり、その中には「米ドルは健全な通貨であるべし」と言う国是に反してその価値を無理やりに減価させるようなQE政策(量的緩和)にも大反対してきた勢力です。
その国是に基づけば、中長期的な財政再建を担保しながら足元の円滑な資金繰りは命綱であり、この自国のアキレス腱を世界中に再認識させてしまった結果として起きているのが先週終盤の米ドル急落と言うのは皮肉な事です。
米国の二大政党の基本理念は、以下のようになります。
共和党 ⇒ 小さな政府 ⇒ 国民は政府より賢いとする
⇒減税や自己責任が好き。
民主党 ⇒ 大きな政府 ⇒ 政府が国民を守るべき
⇒ 行政、福祉機能の拡充が好き。
貧富格差が広がってしまった米国は医療費も高額で貧困層が医者にも行けない状況も生じており、民主党としてはクリントン政権もオバマ政権も日本の様な国民皆保険の導入に動いてきました。これは強制力を伴う仕組みであり、富裕層などからは自己責任、個人の自由と言う部分で強い反対が起きてきました。
そんな状況の中で、米国版の国民皆保険であるObamacareの導入阻止の為に民主党オバマ政権の資金繰りを脅かすと言うのが下院共和党の戦略であった訳ですが、流石に共和党内部からも過度の強硬姿勢への懸念や、幾らなんでも国の信用を代償には出来ないという意見も強まった結果が先週の暫定合意だったと思います。
その結果、米国は世界中の債権国から不安視されてしまい、この問題に専念せざるを得なくなったオバマ大統領はAPECやTPPなどの国際会議をも欠席する事になり、覇権国としての米国の後退と中国の台頭がより鮮明に印象付けられる結果にもなっています。
将来の歴史の教科書に、この事象は時代の流れとして最早不可逆の潮流が進行する中での米国のドタバタ劇だったと言う形で既述されてしまう事になるのでしょうか。米国は自らその道を選択しているようにさえ見えてしまう今回の出来事だったと思います。個人的にもとても心配ですね。
Currencies Broke Higer vs USD.
では、先週の債務上限問題暫定合意後の米ドル下落とライバル通貨の対米ドルのレジスタンス突破の様子を幾つか確認してみましょう。
17日のDeadlineまでは神経質な取引の中で結局は合意される事を見込んだ米ドル上昇バイアスも根強かったのですが、実際は合意直後に上昇も出来なかった事で一気に値崩れしてしまった印象があります。
その状況でダメージコントロール的な空気の中で越週しているのですが、これも今回の影響で発表が延期されていた9月の米雇用統計の発表が22日(火曜日)に決まったようですので、これが弱くて米ドル売りのモメンタムが強まると各通貨ともに一気に上値を伸ばしていく展開もあり得ると言う状況かと思います。
AUDUSD DAILY ⇒ Gaining Streak. |
EURUSD DAILY ⇒ EUR Broke Higher. |
GBPUSD DAILY ⇒ GBP Following Suite. |
USDCHF DAILY ⇒ USD Tumbled vs CHF. |
17日のDeadlineまでは神経質な取引の中で結局は合意される事を見込んだ米ドル上昇バイアスも根強かったのですが、実際は合意直後に上昇も出来なかった事で一気に値崩れしてしまった印象があります。
その状況でダメージコントロール的な空気の中で越週しているのですが、これも今回の影響で発表が延期されていた9月の米雇用統計の発表が22日(火曜日)に決まったようですので、これが弱くて米ドル売りのモメンタムが強まると各通貨ともに一気に上値を伸ばしていく展開もあり得ると言う状況かと思います。
Precious Metals : Trying to Bounce.
米ドル下落圧力の中で貴金属は底打ち⇒反転上昇と言う軌道を描けるでしょうか?
金のチャートも債務上限問題で米政府と議会の間のDealが成立したところで大きく値が跳ねています。
金曜日には続伸も期待されましたが、火曜日に雇用統計が発表される事もあってか、陽線は維持したもののちょっと気になる上髭を残して越週しました。
銀はこんな感じです。
基本的には金と同じシナリオですが、こちらは20ドル近辺は相当固いと言う印象が強まってきました。
相変わらず運用の劣化したファンド勢からの換金圧力も根強いようですが、こちらも雇用統計を同消化するかに注目しましょう。9月雇用統計の発表は22日の火曜日になりましたね。
GOLD DAILY ⇒ Sign of Bottom? |
金のチャートも債務上限問題で米政府と議会の間のDealが成立したところで大きく値が跳ねています。
金曜日には続伸も期待されましたが、火曜日に雇用統計が発表される事もあってか、陽線は維持したもののちょっと気になる上髭を残して越週しました。
銀はこんな感じです。
SILVER DAILY ⇒ Range Triangle? |
相変わらず運用の劣化したファンド勢からの換金圧力も根強いようですが、こちらも雇用統計を同消化するかに注目しましょう。9月雇用統計の発表は22日の火曜日になりましたね。
JPY Stays Calm.
日本円の状況がスッキリしない状態です。ドル円なども大きな三角持合の中に留まっており、どちらにでもブレイクした方に値幅が伸びそうという状況になっています。
クロス円でもドル安バイアスなので各通貨と日本円の対ドル上昇度合いで方向感が決まる状況なのですが、依然レンジの中と言うクロスが多いと思われます。
豪ドル円はチャート的には上に抜けていくモメンタムを見ている人が多いですね。でもカナダ円などはついてきていません。
クロス円も総じてレンジブレイクのタイミングが近づいている可能性を認識しながら火曜日の雇用統計を待つということでしょうか。
USDJPY DAILY ⇒ Waiting to Break? |
クロス円でもドル安バイアスなので各通貨と日本円の対ドル上昇度合いで方向感が決まる状況なのですが、依然レンジの中と言うクロスが多いと思われます。
AUDJPY DAILY ⇒ Trying Upside. |
豪ドル円はチャート的には上に抜けていくモメンタムを見ている人が多いですね。でもカナダ円などはついてきていません。
CADJPY DAILY ⇒ Not Following Suite. |
EURJPY DAILY ⇒ Stays in a Range. |
クロス円も総じてレンジブレイクのタイミングが近づいている可能性を認識しながら火曜日の雇用統計を待つということでしょうか。
Top FX Movers of the Week.(Oct.14th - Oct.18th. 2013)
10月14日(月)~18日(金)の週を通した(週次ベース)主要通貨ペアの動向です。
最後までひたすら米国の債務上限引上げ騒動に振り回された週でしたが、複数の潮流が入り混じった状態で越週している印象です。
通貨ペア ↑↓ 週終値 週始値 変動(pips) 変動(%)
最後までひたすら米国の債務上限引上げ騒動に振り回された週でしたが、複数の潮流が入り混じった状態で越週している印象です。
通貨ペア ↑↓ 週終値 週始値 変動(pips) 変動(%)
①NZDUSD↑ 0.8501 0.8315 +186 +2.19%
②AUDUSD↑ 0.9674 0.9463 +211 +2.18%
③NZDCAD↑ 0.8748 0.8608 +140 +1.60%
④AUDCAD↑ 0.9956 0.9802 +154 +1.55%
⑤AUDJPY ↑ 94.59 93.25 +134 +1.42%
⑥NZDJPY ↑ 83.13 81.96 +117 +1.41%
⑦GBPUSD ↑ 1.6164 1.5945 +219 +1.35%
⑧EURNZD ↓ 1.6075 1.6266 -191 -1.19%
⑨USDCHF ↓ 0.9017 0.9120 -103 -1.14%
⑩EURAUD↓ 1.4141 1.4300 -159 -1.12%
上記通貨ペアの分解結果は以下のようになりました。
上昇通貨 ⇒ NZD(4回),AUD(4回),GBP,CHF
下落通貨 ⇒ USD(4回),CAD(2回),JPY(2回),EUR(2回)
債務上限引上げ交渉は、手打ちが近いと言われればドルが上昇、交渉難航と言われればドルが下落と言う展開でした。皮肉なのは一応の妥結で債務不履行回避と言う結果に対しては市場はドル売りで反応しているところでしょうか。そんな中で米株の高値更新を尻目にドル円は下落するなど、斑模様の越週になっています。
The Final Round Rush : How They Finished the Week.
10月18日(金)の北米市場における最後の4時間の主要通貨ペア動向です。
通貨ペア ↑↓ 終値 始値 変動(pips) 変動(%)
①GBPNZD ↓ 1.8990 1.9039 -49 -0.26%
通貨ペアの分解結果は以下の通りです。
上昇通貨 ⇒ NZD(5回),JPY(3回),AUD(2回)
通貨ペア ↑↓ 終値 始値 変動(pips) 変動(%)
①GBPNZD ↓ 1.8990 1.9039 -49 -0.26%
②AUDNZD↓ 1.1364 1.1385 -21 -0.18%
③NZDCAD↑ 0.8748 0.8734 +14 +0.16%
④NZDCHF ↑0.7666 0.7655 +11 +0.14%
⑤EURAUD↓ 1.4141 1.4156 -15 -0.11%
⑥NZDUSD↑ 0.8501 0.8492 +9 +0.11%
⑦CADJPY ↓ 94.99 95.09 -10 -0.11%
⑧EURJPY ↓ 133.80 133.94 -14 -0.10%
⑨CHFJPY ↓ 108.39 108.50 -11 -0.10%
⑩GBPAUD↓1.6705 1.6721 -16 -0.10%
下落通貨 ⇒ GBP(2回),CAD(2回),CHF(2回),EUR(2回),USD,AUD
米政府と議会との暫定合意は足元の債務不履行懸念を払拭したものの、問題の先送り感も強く、株式市場反発上昇、債券価格上昇(利回り低下)、南半球通貨上昇と言うバイアスを残しました。本稿で切り出した最後の調整局面でもそのような絵柄になっていますね。
2013年10月14日月曜日
Well-Tuned EIGO. : BREAK THE BUCK.
今の米国の状況は非常に心配ですね。
オバマ政権と議会共和党との債務上限引上げ問題における対立は、実は元々燻っているオバマケアと言う国民皆保険制度の導入問題と表裏一体に絡み合っており、彼等が興じている政治的な駆け引きはあまりにも危険なゲームのように思えます。
オバマケアの議論は良いのですが、よりによって順調な経済回復路線を歩む米国のアキレス腱とも言える財政問題を交渉材料にした結果、世界中が見て見ぬ振りをしてくれて来た米国の財政問題を自ら世界中に突きつける様な事をしてしまったと言う意味で共和党の罪も重いと言う気がしてなりません。
これまではアジア危機、欧州危機と世界の何処かで膿が噴出せば必ず安全と流動性を求めた世界資本は米国に還流してきました。サブプライム問題、リーマンショックと言う足元の火山の噴火でWall Streetが崩壊してもなお米債や米ドルが受益者となったのは米ドルが世界の基軸通貨として認知されてきたからに他なりません。
しかしそれも米銀破綻までです。本丸である米国政府が債務不履行となれば、世界中が大混乱となるのは必定であり、これまで混乱時の受益者であった米債や米ドルが最大の犠牲者となる事も不可避です。
これに関しては、元IMF高官でもあるUCLAのBarry Eichengreen教授も最近のレポートの中で強い警鐘を鳴らしています。世界中の中央銀行、政府系運用機関はもとより民間の金融機関や機関投資家が保有する外貨準備、債券ポートフォリオなどの最大の構成要素が米債であり米ドルである以上、その安全性や流動性が毀損し価値評価も額面割れ状態となった場合には一斉に雪崩のような売り崩しが出て世界の金融システムが崩壊し、それは事実上Globalizationと呼ばれてきた事象の終焉を意味すると言う趣旨です。
Mutual funds that are prohibited by covenant from holding defaulted securities would have to dump their Treasuries in a self-destructive fire sale. Money-market mutual funds, virtually without exception, would “break the buck,” allowing their shares to go to a discount.
(約定で債務不履行状態の証券の保有を禁じられているミューチュアルファンドは自滅的な投売りで米債を手放さざるを得ず、例外なく額面割れ状態となる。)
この太字で対比させた部分が今回の考察点です。
Break the buck = 額面割れ です。
Buckと言うのは昔の価値尺度が語源らしいのですが、米国の日常会話では1ドルを意味します。
Will you give me a buck? で「1ドル奢ってよ」と言う感じです。もともと価値尺度の事なので証券などでは額面の意味となり、実際の価値がそれを下回るのが額面割れと言う事ですね。
米国が債務不履行になれば、米国経済の信用、米債、米ドル、米株の価値が全て毀損してしまいます。それが米ドルの世界の基軸通貨としてのステイタスの終焉にも繋がる訳ですが、その意味では現在の米国の直面するリスクを表現するのにこのBreak the buckと言う表現ほど的確なものは無いかもしれません。業界用語的には額面割れですが、文字通り米ドルを壊すと言う意味だって持ち得ますし、何よりも今問題なのは米国そのものが額面割れのリスクに晒されていると言うことなのですから。
発音でも韻を踏むせいかBreakはMakeという言葉と対を成すことが多く、ここでもMake a buckならMake moneyと言う意味になります。
It is up to them whether to make a buck or break the buck.
と言うのが今の米国の待ったなしの状況ではないでしょうか。
ラベル:
Editorial,
Elevator Pitch,
English,
Investment,
Market,
Trading,
英語表現,
江戸いとリアル
2013年10月13日日曜日
Review of the Week.(Oct.7th - Oct.11th. 2013)
10月7日(月)~11日(金)の週の簡単なReviewです。
1 Key Events
①米国
・オバマ大統領が次期FRB議長にYellen副議長を正式に指名。
・失業保険申請件数が374千件に上昇(政府機能のShutdownの影響)
・9月FOMC議事録⇒多くの理事が年内のTaperingを想定。
a.6月以降の経済指標の不揃い感や金融市場の動向による
Tapering見送り。
b.FOMCは経済/市場動向とFEDのCredibilityの板挟み状態。
・9月雇用統計⇒政府機能の一部停止により発表出来ず(延期)。
・債務上限問題
a.下院共和党が約4週間限定の譲歩案を提示。
b.下院民主党と上院共和党も譲歩案を模索する動き。
c.17年振りの政府機能一部停止状態が続く中、歴史上初の
債務不履行回避への努力が継続。
d.10月17日(木)までの合意が予算上の期限。
⇒決裂なら債務不履行。
②日本
・麻生財務相⇒米国は債務不履行によるトリプルA格付の喪失回避を。
・9月工作機械受注▲6.3%(mom)。同消費者信頼感45.4に改善。
・日銀政策決定会合議事録⇒欧米、新興国の外部要因に懸念。
エネルギー輸入以外に広範な物価上昇圧力。
③中国
・Zhu蔵相⇒中国は米国の債務問題を強く懸念。
米国は中国の債券の安全を保障するべき。
④英国
・商工会議所エコノミスト⇒英国経済は力強く成長中。
米国の債務問題など外部要因を懸念。
・8月鉱工業生産▲1.1%(mom)。同貿易赤字▲GBP9.6bio。
・BOE政策金利据置き(0.5%)。資産購入規模も維持(GBP375bio)。
⑤カナダ
・9月住宅着工+194千件(改善)。
・8月貿易赤字▲CAD1.3bioに赤字拡大。
・9月雇用統計。新規雇用+11.9千人(予想+15千人)も失業率が
6.9%に改善(予想7.1%)。
⑥欧州
・スイス9月失業率3.2%(横ばい)。
・スイス9月CPI▲0.1%,小売売上高+2.4%。
・独8月貿易黒字eur15.6bioに拡大。
・独8月鉱工業生産+1.4%(mom)。
・ECBのDraghi総裁⇒「必要に応じた追加緩和がコンセンサス」
⑦豪州
・NAB9月事業信頼感指数+12に改善。
・9月新規雇用+9.1千人。失業率は5.6%に改善。
⑧IMF
・2013年世界経済成長見通しを下方修正。
・7月の+3.2%から2.9%へ。
・2014年見通しも7月の+3.8%⇒3.6%に下方修正。
・英国経済には明るい見通し。
2013年成長予想を+0.9%⇒+1.4%に上方修正。
2014年成長予想も+1.5%⇒+1.9%に上方修正。
・米国の債務不履行リスクを強く懸念。
2 金融市場
①株式市場 / 債券市場
・株式市場は反発。
・DOWは$14,719.43⇒$15,237.11、
S&P500は$1,464.47⇒$1,703.20に反発。
・債券市場は価格低下、利回り上昇へ。
11月下旬辺りから先の銘柄に不安感。
債務上限の暫定合意は4週間程度との思惑。
②商品市場
・商品市場は全般的に値を下げる動き。
(債務上限問題の進展を織り込む)
・原油、貴金属も上昇後に反落する展開。
・金価格はほぼ3ヶ月Lowへ。金曜日の先物市場で纏まった売り。
③為替市場
・リスク資産の復活にHigh-Beta通貨が上昇。
・最強通貨がAUD、最弱通貨がJPYと言う典型的な流れ。
・米ドルも持ち直し傾向。対欧州通貨では反発傾向。
1 Key Events
①米国
・オバマ大統領が次期FRB議長にYellen副議長を正式に指名。
・失業保険申請件数が374千件に上昇(政府機能のShutdownの影響)
・9月FOMC議事録⇒多くの理事が年内のTaperingを想定。
a.6月以降の経済指標の不揃い感や金融市場の動向による
Tapering見送り。
b.FOMCは経済/市場動向とFEDのCredibilityの板挟み状態。
・9月雇用統計⇒政府機能の一部停止により発表出来ず(延期)。
・債務上限問題
a.下院共和党が約4週間限定の譲歩案を提示。
b.下院民主党と上院共和党も譲歩案を模索する動き。
c.17年振りの政府機能一部停止状態が続く中、歴史上初の
債務不履行回避への努力が継続。
d.10月17日(木)までの合意が予算上の期限。
⇒決裂なら債務不履行。
②日本
・麻生財務相⇒米国は債務不履行によるトリプルA格付の喪失回避を。
・9月工作機械受注▲6.3%(mom)。同消費者信頼感45.4に改善。
・日銀政策決定会合議事録⇒欧米、新興国の外部要因に懸念。
エネルギー輸入以外に広範な物価上昇圧力。
③中国
・Zhu蔵相⇒中国は米国の債務問題を強く懸念。
米国は中国の債券の安全を保障するべき。
④英国
・商工会議所エコノミスト⇒英国経済は力強く成長中。
米国の債務問題など外部要因を懸念。
・8月鉱工業生産▲1.1%(mom)。同貿易赤字▲GBP9.6bio。
・BOE政策金利据置き(0.5%)。資産購入規模も維持(GBP375bio)。
⑤カナダ
・9月住宅着工+194千件(改善)。
・8月貿易赤字▲CAD1.3bioに赤字拡大。
・9月雇用統計。新規雇用+11.9千人(予想+15千人)も失業率が
6.9%に改善(予想7.1%)。
⑥欧州
・スイス9月失業率3.2%(横ばい)。
・スイス9月CPI▲0.1%,小売売上高+2.4%。
・独8月貿易黒字eur15.6bioに拡大。
・独8月鉱工業生産+1.4%(mom)。
・ECBのDraghi総裁⇒「必要に応じた追加緩和がコンセンサス」
⑦豪州
・NAB9月事業信頼感指数+12に改善。
・9月新規雇用+9.1千人。失業率は5.6%に改善。
⑧IMF
・2013年世界経済成長見通しを下方修正。
・7月の+3.2%から2.9%へ。
・2014年見通しも7月の+3.8%⇒3.6%に下方修正。
・英国経済には明るい見通し。
2013年成長予想を+0.9%⇒+1.4%に上方修正。
2014年成長予想も+1.5%⇒+1.9%に上方修正。
・米国の債務不履行リスクを強く懸念。
2 金融市場
①株式市場 / 債券市場
・株式市場は反発。
・DOWは$14,719.43⇒$15,237.11、
S&P500は$1,464.47⇒$1,703.20に反発。
・債券市場は価格低下、利回り上昇へ。
11月下旬辺りから先の銘柄に不安感。
債務上限の暫定合意は4週間程度との思惑。
②商品市場
・商品市場は全般的に値を下げる動き。
(債務上限問題の進展を織り込む)
・原油、貴金属も上昇後に反落する展開。
・金価格はほぼ3ヶ月Lowへ。金曜日の先物市場で纏まった売り。
③為替市場
・リスク資産の復活にHigh-Beta通貨が上昇。
・最強通貨がAUD、最弱通貨がJPYと言う典型的な流れ。
・米ドルも持ち直し傾向。対欧州通貨では反発傾向。
Is JPY Leading the Pack by Topping Out Now?
ドル円が97円割れのサポートラインの固さを確認したイメージで98円台ミドルを回復しています。
株価などの回復とも歩調を合わせた動きですが、先週のTop GainerがAUDJPYだった事でも明らかですがクロス円全般がしっかり上昇してきました。
テクニカル的にはフォローするべき動きになっていますが、リスク資産の上昇もクロス円の上昇も2つの要因に準拠した動きである事は要注意でしょう。
①Obama大統領がYellen副議長を正式に次期議長候補に指名した事。
②米債務上限引上げ問題に出口が見せてきたと言う期待感。
①はTaperingの有無や次期に関わらずQE路線が継続される事への期待、②は政治家も政府を債務不履行に追い込むほど愚かでは無いと言う事への期待ですね。従ってこの2つの期待的前提が壊れるようなケースには市場のVolatilityが急騰すると言う事になるのでしょう。
今週は17日(木)に向けた神経戦が続きます。
USDJPY DAILY ⇒ Bottomed Out? |
株価などの回復とも歩調を合わせた動きですが、先週のTop GainerがAUDJPYだった事でも明らかですがクロス円全般がしっかり上昇してきました。
AUDJPY DAILY ⇒ Top Gainer Last Week. |
EURJPY DAILY |
GBPJPY DAILY |
①Obama大統領がYellen副議長を正式に次期議長候補に指名した事。
②米債務上限引上げ問題に出口が見せてきたと言う期待感。
①はTaperingの有無や次期に関わらずQE路線が継続される事への期待、②は政治家も政府を債務不履行に追い込むほど愚かでは無いと言う事への期待ですね。従ってこの2つの期待的前提が壊れるようなケースには市場のVolatilityが急騰すると言う事になるのでしょう。
今週は17日(木)に向けた神経戦が続きます。
ラベル:
Editorial,
Elevator Pitch,
FX,
Geopolitics(地政学),
Intelligence,
Investment,
Market,
Trading
Metals Fail to Shine At This Juncture.
米国が覇権を失い始めている中で、且つ米ドルが唯一のReserve Currencyとしての地位を失い始めている中で、通貨の元祖として気を吐くかと思われた貴金属が大きく失速しています。
米国の債務上限問題初期には米ドル不安からGoldもSilverも上昇したものですが、この問題が依然解決した訳でもないのに大きく反落軌道を描いています。
大きな絵としては、米ドル不安からペーパマネーシステム全般への不信が広がる形でQEのような操作の出来ない貴金属の価値保蔵機能が大きく見直されると言うシナリオがあるのですが、少なくともこのタイミングではこのシナリオがメインシナリオになるような状況にはなっていません。
逆に足元は著名ファンドの中にも苦戦や清算の報道が目立っており、上記シナリオに従ってファンド内で保有されていた貴金属を市場で売りさばく動きの方が大きな市場インパクトを持っていると言う動きになっています。金曜日にもGOLD先物で異例な規模での売り玉が観測されており、上のチャートでもSILVERよりもGOLDのチャートが崩れ始めていると言う状況になっています。
状況的にショートにするのは躊躇するけど、ロングを持っていても中々リターンがついてこないと言うのが市場参加者の本音なのではないでしょうか。
GOLD DAILY ⇒ Eventually Tumbled. |
SILVER DAILY ⇒ Getting Hammered. |
米国の債務上限問題初期には米ドル不安からGoldもSilverも上昇したものですが、この問題が依然解決した訳でもないのに大きく反落軌道を描いています。
大きな絵としては、米ドル不安からペーパマネーシステム全般への不信が広がる形でQEのような操作の出来ない貴金属の価値保蔵機能が大きく見直されると言うシナリオがあるのですが、少なくともこのタイミングではこのシナリオがメインシナリオになるような状況にはなっていません。
逆に足元は著名ファンドの中にも苦戦や清算の報道が目立っており、上記シナリオに従ってファンド内で保有されていた貴金属を市場で売りさばく動きの方が大きな市場インパクトを持っていると言う動きになっています。金曜日にもGOLD先物で異例な規模での売り玉が観測されており、上のチャートでもSILVERよりもGOLDのチャートが崩れ始めていると言う状況になっています。
状況的にショートにするのは躊躇するけど、ロングを持っていても中々リターンがついてこないと言うのが市場参加者の本音なのではないでしょうか。
Top FX Movers of the Week(Oct.7th - Oct.11th. 2013)
10月7日(月)~11日(金)の週を通した週次ベースの主要通貨ペアパフォーマンス比較です。
米国の債務上限問題を巡るオバマ政権と議会下院共和党との攻防は依然決着せずと言う状況ですが、週末には目先の資金繰りに目処をつける方向での歩み寄りが見られた事で過度の悲観論は後退した印象です。また1月に退任するBernanke議長の後任レースにもObama大統領が正式にYellen副議長を推す方針を発表した事で不透明感の一部分が後退しているイメージですね。
通貨ペア ↑↓ 週終値 週始値 変動(pips) 変動(%)
米国の債務上限問題を巡るオバマ政権と議会下院共和党との攻防は依然決着せずと言う状況ですが、週末には目先の資金繰りに目処をつける方向での歩み寄りが見られた事で過度の悲観論は後退した印象です。また1月に退任するBernanke議長の後任レースにもObama大統領が正式にYellen副議長を推す方針を発表した事で不透明感の一部分が後退しているイメージですね。
通貨ペア ↑↓ 週終値 週始値 変動(pips) 変動(%)
①AUDJPY ↑ 93.25 91.89 +136 +1.46%
②USDJPY ↑ 98.54 97.45 +109 +1.11%
③NZDJPY ↑ 81.96 81.06 +90 +1.10%
④EURJPY ↑ 133.40 132.09 +131 +0.98%
⑤AUDCAD↑ 0.9802 0.9709 +93 +0.95%
⑥AUDCHF↑ 0.8630 0.8555 +75 +0.87%
⑦GBPAUD↓ 1.6844 1.6974 -130 -0.77%
⑧GBPJPY ↑ 157.13 156.01 +112 +0.71%
⑨USDCAD ↑1.0357 1.0294 +63 +0.61%
⑩CHFJPY ↑ 108.02 107.39 +63 +0.58%
上記通貨ペアの分解結果は以下の通りです。
上昇通貨 ⇒ AUD(4回),USD(2回),NZD,EUR,GBP,CHF
下落通貨 ⇒ JPY(6回),CAD(2回),CHF,GBP
AUDの上昇、JPYの下落に象徴される先週の動きは総括するとRisk Appetiteの反発と言う事になります。上記通貨ペアの上位4位までを含む6つがクロス円の上昇(円安)であり、株式市場の反発とも歩調をあわせたリスク資産全般の反発と言う絵柄で越週となりました。
The Final Round Rush : How They Finished the Week.
10月11日(金)の北米市場における最後の4時間の主要通貨ペア動向です。米国政府の債務上限問題に対する楽観と悲観の間を往来するような相場展開でしたので最後の需給調整も落ち着いていたようです。
通貨ペア ↑↓ 終値 始値 変動(pips) 変動(%)
通貨ペア ↑↓ 終値 始値 変動(pips) 変動(%)
①NZDCAD↓ 0.8608 0.8639 -31 -0.36%
②AUDCAD↓ 0.9802 0.9824 -22 -0.22%
③CADJPY ↑ 95.11 94.90 +21 +0.22%
④USDCAD↓ 1.0357 1.0377 -20 -0.19%
⑤CADCHF↑ 0.8804 0.8787 +17 +0.19%
⑥EURCAD↓ 1.4022 1.4049 -27 -0.19%
⑦GBPCAD↓ 1.6516 1.6538 -22 -0.13%
⑧NZDUSD↓ 0.8315 0.8326 -11 -0.13%
⑨NZDCHF↓ 0.7584 0.7593 -9 -0.12%
⑩GBPNZD↑ 1.9159 1.9137 +22 +0.11%
上記通貨ペアの分解結果は以下のようになります。
上昇通貨 ⇒ CAD(7回),USD,CHF,GBP
下落通貨 ⇒ NZD(4回),AUD,JPY,USD,CHF,EUR,GBP
雇用統計が強かったCADの強さが最後まで続いていた印象ですね。
2013年10月7日月曜日
Well-Tuned EIGO. : PRICE/VALUE RIGHT/PRIVILEGE.
投機と投資の違いは何かと言うテーマがあります。
この2つを区分する説明を自分なりにも見つけていますが、大手投資助言会社のレポートにこれまた上手い説明が出ていました。
Speculators believe they can forecast price changes… and the good ones can.
Investors, on the other hand, specialize in values. They look for situations where price and value have become disconnected.
(投機家は価格変動を予測出来ると信じており、確かに優秀な投機家は予測が上手い。一方で投資家はと言えば、バリューの分析に特化している。彼らは価格とバリューの乖離を突くのだ)
投機(家)と投資(家)の違いは、前者がPrice、後者がValueに準拠した行動をしていると言うのは一面の真理でしょう。実際にはそこまで単純化出来るような状況とも違うとは思いますが、その点はここでは深堀りは避けます。
このPriceとValueの対比に少し似ている気がして思い出したのが、RightとPrivilegeの対比です。
Right=権利、Privilege=特権ですが、これらは日本人の日常会話ではさほど頻繁に登場する言葉でもないと思いますが、欧米の人達はよく対比させて使用していると思います。換言すれば、Right=権利、Privilege=特権と言う訳語も完全では無いと言うことでしょうか。
Education should be a right not a privilege.⇒教育は万人に保障されるべきものだ。
Freedom of speech is a privilege not a right.⇒言論の自由は当たり前のものではない。
という具合に使われています。
更に・・・・
PrivilegeはGiftともよく対比されます。
何かがprivilegeではなくgiftである(~is not a privilege but a gift)と言う対比で出てくる時のprivilegeは特権で良いのですが、giftはギフトショップのギフト(贈り物)と言うよりも神様からの授かり物と言うニュアンスで使われます。そして欧米はキリスト教文明ですので、神様からの授かり物であれば独り占めではなく世の中の為に使うべき(神は自分にそういう使命を与えた)と言う考え方が出てきます。
何かを自分の努力で手に入れたと思えば⇒Privilege⇒自分の為に使えば良い。
何かを神からの授かり物だと思えば⇒gift⇒独り占めせず世の中の為に使う
(それが使命と考える。)
と言う事ですね。
ある著名なファンドマネージャーが、自分のお金儲けではなく他人の財産を増やす仕事をしている理由を質問されてた際に、自分の中にあるお金を増やす才能やポジション運営の閃きは自分のPrivilegeではなくGiftだと思ったからと回答しているのを見たことがあります。
こういう格好いい事を言ってみたいものですね。
この2つを区分する説明を自分なりにも見つけていますが、大手投資助言会社のレポートにこれまた上手い説明が出ていました。
Speculators believe they can forecast price changes… and the good ones can.
Investors, on the other hand, specialize in values. They look for situations where price and value have become disconnected.
(投機家は価格変動を予測出来ると信じており、確かに優秀な投機家は予測が上手い。一方で投資家はと言えば、バリューの分析に特化している。彼らは価格とバリューの乖離を突くのだ)
投機(家)と投資(家)の違いは、前者がPrice、後者がValueに準拠した行動をしていると言うのは一面の真理でしょう。実際にはそこまで単純化出来るような状況とも違うとは思いますが、その点はここでは深堀りは避けます。
このPriceとValueの対比に少し似ている気がして思い出したのが、RightとPrivilegeの対比です。
Right=権利、Privilege=特権ですが、これらは日本人の日常会話ではさほど頻繁に登場する言葉でもないと思いますが、欧米の人達はよく対比させて使用していると思います。換言すれば、Right=権利、Privilege=特権と言う訳語も完全では無いと言うことでしょうか。
Education should be a right not a privilege.⇒教育は万人に保障されるべきものだ。
Freedom of speech is a privilege not a right.⇒言論の自由は当たり前のものではない。
という具合に使われています。
更に・・・・
PrivilegeはGiftともよく対比されます。
何かがprivilegeではなくgiftである(~is not a privilege but a gift)と言う対比で出てくる時のprivilegeは特権で良いのですが、giftはギフトショップのギフト(贈り物)と言うよりも神様からの授かり物と言うニュアンスで使われます。そして欧米はキリスト教文明ですので、神様からの授かり物であれば独り占めではなく世の中の為に使うべき(神は自分にそういう使命を与えた)と言う考え方が出てきます。
何かを自分の努力で手に入れたと思えば⇒Privilege⇒自分の為に使えば良い。
何かを神からの授かり物だと思えば⇒gift⇒独り占めせず世の中の為に使う
(それが使命と考える。)
と言う事ですね。
ある著名なファンドマネージャーが、自分のお金儲けではなく他人の財産を増やす仕事をしている理由を質問されてた際に、自分の中にあるお金を増やす才能やポジション運営の閃きは自分のPrivilegeではなくGiftだと思ったからと回答しているのを見たことがあります。
こういう格好いい事を言ってみたいものですね。
2013年10月6日日曜日
Review of the Week.(Sept.30th - Oct.4th 2013)
2013年9月30日(月)~10月4日(金)の週の簡単なReviewです。
1 Key Events.
①米国
・政府機能が一部停止へ。(17年振り)。
・部分機能の予算的限界は10月17日(木)。
・それまでに暫定合意でもなければ政府機能は
全面停止へ(前例なし)。
・ADP雇用データ⇒9月の民間雇用者数+166千人(予想+176千人)。
・Atlanta連銀のLockhart総裁
「政府機能停止で今後のTapering判断は困難に」。
・San Francisco連銀のWilliam理事
「2週間の政府機能停止で第4四半期GDPは0.25%減」。
②日本
・安倍総理が来年4月からの消費税率引上げを決断(5%⇒8%)。
・景気テコ入れに5兆円規模の経済対策も指示。
・日銀短観(第4四半期)が大幅な改善。
・製造業の大企業景気判断は+12(前回+4)と2007年の
リーマンショック以降の最高値。且つ3期連続の改善。
・非製造業の大企業景気判断も+14と前回から2ポイント改善。
・中小企業も製造業(▲14⇒▲9)、非製造業(▲4⇒▲1)に改善。
・全規模・全産業の景気判断も+2となり5年10ヶ月ぶりにプラス圏に。
・日銀政策会合で金融政策据置き。
③豪州
・イタリア議会が信任投票でLetta首相の内閣を信任。
・ECB政策会合で政策金利据置き(0.5%)。
・Draghi総裁は利下げの提案もあったと発言。
・欧州圏8月失業率が12%に改善。
・9月製造業PMI⇒51.1。
・独9月出業率は6.9%に上昇。
・9月製造業PMIは56.7に低下。
・米国の政府機能一部閉鎖で世界的に株式市場反落。
・債券市場は上昇。長期金利は低下。
・全般的に不安定なレンジを形成。
・貴金属価格は週末に小反発も頭の重い流れ。
・リスク回避色が鮮明に。
・米ドルは週末に反発も政府機能停止を嫌気した売り圧力が先行。
・日本円には上昇圧力。
1 Key Events.
①米国
・政府機能が一部停止へ。(17年振り)。
・部分機能の予算的限界は10月17日(木)。
・それまでに暫定合意でもなければ政府機能は
全面停止へ(前例なし)。
・ADP雇用データ⇒9月の民間雇用者数+166千人(予想+176千人)。
・Atlanta連銀のLockhart総裁
「政府機能停止で今後のTapering判断は困難に」。
・San Francisco連銀のWilliam理事
「2週間の政府機能停止で第4四半期GDPは0.25%減」。
②日本
・安倍総理が来年4月からの消費税率引上げを決断(5%⇒8%)。
・景気テコ入れに5兆円規模の経済対策も指示。
・日銀短観(第4四半期)が大幅な改善。
・製造業の大企業景気判断は+12(前回+4)と2007年の
リーマンショック以降の最高値。且つ3期連続の改善。
・非製造業の大企業景気判断も+14と前回から2ポイント改善。
・中小企業も製造業(▲14⇒▲9)、非製造業(▲4⇒▲1)に改善。
・全規模・全産業の景気判断も+2となり5年10ヶ月ぶりにプラス圏に。
・日銀政策会合で金融政策据置き。
③豪州
・RBA政策金利据置き(Cash Rate2.5%)。
・声明のトーンはややDovish。
・8月建築許可数が大幅減少(▲4.7% mom)。
・8月貿易赤字も予想以上の拡大(aud0.82bio)。
④欧州
・注目されたイタリア、フランスの国債入札は順調に消化。
⑤英国
2 金融市場
①株式市場 / 債券市場
②商品市場 / 貴金属市場
③為替市場
USD Generally Weak on US Government Partial Shut Down.
無理からぬ事ですが、米国政府機能の部分停止を受けて米ドルは下落基調です。
金曜日には米ドルは結構反発しているので、為替市場に過剰反応は見られていません。流石に議会も何か考えてくれるだろうと言う期待がある為ですが、週末にも進展が無ければ今週も週初から米ドルには下落圧力が復活する可能性もあるのではないでしょうか。
ドル円は今のところ97円のラインが非常に強いサポートラインになっているので、下値追いは危険でしょう。ただし、ここが明確に割れると危ない気もしています。
AUDUSD DAILY ⇒ AUD↑USD↓ |
EURUSD DAILY ⇒ EUR↑USD↓ |
USDJPY DAILY ⇒ USD↓JPY↑ |
金曜日には米ドルは結構反発しているので、為替市場に過剰反応は見られていません。流石に議会も何か考えてくれるだろうと言う期待がある為ですが、週末にも進展が無ければ今週も週初から米ドルには下落圧力が復活する可能性もあるのではないでしょうか。
ドル円は今のところ97円のラインが非常に強いサポートラインになっているので、下値追いは危険でしょう。ただし、ここが明確に割れると危ない気もしています。
GBP Might Be Topping Out.
GBPが遂に失速してきたようです。既に市場がロングになっているのかドル安材料が出ても上値が伸びず、逆に週末の調整幅が目立っています。
こつこつ上げてきたものをドカンと失ったイメージです。
右上がりのチャートも壊れかけていますね。
対円は、もっと明確ですね。まだ下値余地を十分感じさせるチャートではないでしょうか。
対CHFもドカンときましたね。
対EURでもこうなっています。
クロス取引で顕著なGBPの失速は、今後対円USDや対JPYでも加速してくる可能性もあります。特にリスク回避色が強まりやすい中でのGBPJPYの下値リスクは実現するなら値幅も伸びるのではないでしょうか。
GBPUSD DAILY ⇒ Oops! |
右上がりのチャートも壊れかけていますね。
GBPJPY DAILY ⇒ Turned Around? |
対円は、もっと明確ですね。まだ下値余地を十分感じさせるチャートではないでしょうか。
GBPCHF DAILY ⇒ OUCH! |
対CHFもドカンときましたね。
対EURでもこうなっています。
EURGBP DAILY ⇒ EUR JUMPS vs GBP. |
クロス取引で顕著なGBPの失速は、今後対円USDや対JPYでも加速してくる可能性もあります。特にリスク回避色が強まりやすい中でのGBPJPYの下値リスクは実現するなら値幅も伸びるのではないでしょうか。
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