投機と投資の違いは何かと言うテーマがあります。
この2つを区分する説明を自分なりにも見つけていますが、大手投資助言会社のレポートにこれまた上手い説明が出ていました。
Speculators believe they can forecast price changes… and the good ones can.
Investors, on the other hand, specialize in values. They look for situations where price and value have become disconnected.
(投機家は価格変動を予測出来ると信じており、確かに優秀な投機家は予測が上手い。一方で投資家はと言えば、バリューの分析に特化している。彼らは価格とバリューの乖離を突くのだ)
投機(家)と投資(家)の違いは、前者がPrice、後者がValueに準拠した行動をしていると言うのは一面の真理でしょう。実際にはそこまで単純化出来るような状況とも違うとは思いますが、その点はここでは深堀りは避けます。
このPriceとValueの対比に少し似ている気がして思い出したのが、RightとPrivilegeの対比です。
Right=権利、Privilege=特権ですが、これらは日本人の日常会話ではさほど頻繁に登場する言葉でもないと思いますが、欧米の人達はよく対比させて使用していると思います。換言すれば、Right=権利、Privilege=特権と言う訳語も完全では無いと言うことでしょうか。
Education should be a right not a privilege.⇒教育は万人に保障されるべきものだ。
Freedom of speech is a privilege not a right.⇒言論の自由は当たり前のものではない。
という具合に使われています。
更に・・・・
PrivilegeはGiftともよく対比されます。
何かがprivilegeではなくgiftである(~is not a privilege but a gift)と言う対比で出てくる時のprivilegeは特権で良いのですが、giftはギフトショップのギフト(贈り物)と言うよりも神様からの授かり物と言うニュアンスで使われます。そして欧米はキリスト教文明ですので、神様からの授かり物であれば独り占めではなく世の中の為に使うべき(神は自分にそういう使命を与えた)と言う考え方が出てきます。
何かを自分の努力で手に入れたと思えば⇒Privilege⇒自分の為に使えば良い。
何かを神からの授かり物だと思えば⇒gift⇒独り占めせず世の中の為に使う
(それが使命と考える。)
と言う事ですね。
ある著名なファンドマネージャーが、自分のお金儲けではなく他人の財産を増やす仕事をしている理由を質問されてた際に、自分の中にあるお金を増やす才能やポジション運営の閃きは自分のPrivilegeではなくGiftだと思ったからと回答しているのを見たことがあります。
こういう格好いい事を言ってみたいものですね。