2013年8月11日日曜日

Review of the Week(Aug.5 - Aug.9 2013)

8月5日(月)~9日(金)の週をざっくり整理します。

1 Key Events

①FedのTapering議論
・複数の理事が発言。太宗が9月のTapering(資産購入規模縮小)を示唆。
・ハト派のエバンス理事(シカゴ連銀総裁)ですら9月のTapering開始を否定せず。

②ECB Survey.
・2013年の欧州圏成長見通し下方修正(-0.4%⇒-0.6%)。
・新興国との貿易も減速を予想。
・2014年の成長見通し下方修正(+1.0%⇒+0.9%),2015年も同様(+1.6%⇒+1.5%)。

③BOEが金融政策フレームワークの改定(Inflation Report)
・金融政策と失業率をリンク。
・現在7.8%の失業率が7%まで低下するまでは現行政策を維持。
・7%は引き金ではなく閾値。実際は6.5%レベルでの安定が必要。
・今後の予想は2016年Q3時点で7.1%までの低下を予想。
・2017年まで引締めなしとも読めるが、期待インフレが短期2%、中期2.5%を越える場合は失業率に縛られない事も明記。

④日銀政策決定会合
・政策据え置き
・声明文で緩やかな景気回復が始まっている事、広範なインフレ期待の上昇に言及。
・1委員のインフレ目標2%を中長期目標に変更する提案は8-1で否決。

⑤RBA利下げ断行
・25bpの利下げを実施。政策金利は2.5%に。
・声明文は”less dovish”。
・”インフレ見通しは追加利下げを可能とする水準”という文言を削除。
・豪ドルは4月から15%程度減価した事、更なる減価余地にも言及。

⑥中国7月貿易統計
・貿易黒字縮小($17.8bioと減っても巨額黒字)。
・7月の輸出は+5.1%で6月の▲3.1%から改善。
・7月の輸入も+10.9%で5月の▲0.3%、6月の▲0.7%から大きく改善。

⑦カナダ雇用統計の減速
・7月の新規雇用は▲39.4千人で市場予想の+6千人を大幅に下回る内容。
・3月(▲54.5千人)以降で最悪の数字。
・失業率も上昇(7.1%⇒7.2%)

⑧ニュージーランド乳製品に雑菌疑惑
・同国乳製品大手のFonterra社の乳製品の一部に新手のBotulism bacteriaが見つかったとの報道。
・中国がニュージーランドからの乳製品の前面輸入禁止を発表。

2 金融市場の動向

①債権市場に買戻し。株式市場は調整。米ドルは続落。
上記の通り、FRB内に9月のTapering開始をメインシナリオとする空気が強まっている模様であるが、足元の経済指標が斑模様な事もあり、開始の延期か資産購入の縮小規模の縮小を予想する市場参加者が増加しているイメージ。

②コモディティ通貨に明暗
・豪ドル反発 ⇒ 豪ドルは利下げ後に反発。25bpの利下げは織り込み済みであった事から壕ドルショートの手仕舞いが殺到。声明文が市場予想ほどハト派的ではなかった事も豪ドル反発の追い風に。
・カナダドル反落 ⇒ こちらは上記の通り雇用関係のデータが弱く、大きく反落。
・ニュージーランドドル劇的上昇 ⇒ 上述の報道で週初から大きくGap-Downして始まるも週を通して大きな陽線に!