2014年11月30日日曜日

Review of the Week.(Nov.24th - Nov.28th.2014)

2014年11月24日~11月28日(金)の週の簡単なReviewです。

今回は時間がなくて市場動向のみとします。

 金融市場

 ①株式市場 / 債券市場
  ・全般的に株式市場は強保合い
   債券市場も堅調推移で利回り低下
  ・日経平均は、17,459.85円で越週(先週17,357.51円)。
  ・米Dow→$17,828.24, S&P500→$2,067.56, Nasdaq→$4,791.63.
    (先週      $17,807.81                $2,063.56               $4,712.97)
   (週次        +0.1%                        +0.2%                    +1.7%   )
     (月次        +2.5%                        +2.5%                    +3.5%   )
  ・米10年債利回りは、2.19%(先週2.31%)。10月16日以来の低水準。
  ・米30年債利回りは、2.91%(先週3.02%)。10月22日以来の低水準。

 ②商品市場
  ・OPECの減産しない方針を受けて原油主導で大幅下落
  ・原油価格はOPEC発表後に10.45%もの急落
   バレル単価で$65.99(先週$76.63)
  ・金価格も保合い後に原油に追随。2%超の下落
   オンス単価で$1,167.04(先週$1,200.84)。

 ③為替市場
  ・原油中心の商品市場の大幅下落を受けてコモディティ通貨が
   失速⇒下落と言う展開
  ・米ドルは堅調推移で円は対ドルで下落もその他通貨に対しては
   安定した週となった。

FX : Comdols+JPY Giving Way to Mighty USD.

米ドル上昇バイアスは減速感は出ても失速反転と言う流れが出ていません。
先週は、OPEC後の原油価格の下落がコモディティ通貨の足を引っ張り、物価関連指標の弱かった円売りに流れもあって米ドルインデックスもサポートされた印象ですね。
AUDUSD DAILY
NZDUSD DAILY
USDCAD DAILY
USDJPY DAILY

AUDとCADは重要サポートに来ているので、週初から要注意でしょう。

USDJPYも押しが浅いまま120円コースが崩れない印象ですね。

12月相場・・・・ひと波乱あるのでしょうか。

Commodities : OPEC Cut the ground Under the Feet of Commodities.

予想通りだとは思うものの、影響は思いのほか大きかったというのが今回のOPEC会合でした

一部からの減産要請があったものの、結果として減産の決定はなかった事で原油価格が大きく下落し、やがてコモディティ市場全体が足を引っ張られる展開となりました。

やはりサウジを中心とした米のシェール潰しは本気度を増しているのでしょうか
Crude Oil Daily.

クライマックス感も感じなくはない動きですが、金曜日も下髭のほとんどない安値引けで越週しており、ちょっと拾えませんね。

この影響もあり、粘り腰を見せていた貴金属も沈みました。

Gold Daily





近価格も1,200ドルがキャップされてしまいましたね。

Silver Daily
銀価格も20ドルが遠く感じます。

この状況で12月に入るのですが、年末に向けての商品市場も目が離せなくなってきました。

Top FX Movers of the Month of November 2014.

2014年11月の月次ベースの主要通貨動向です。

    通貨ペア 月終値 月始値 変動(pips) 変動(%)
1.NZDJPY↑ 92.97    87.50   +547   +5.88% 

2.USDJPY↑118.59  112.31   +628    +5.30% 

3.CHFJPY↑122.77  116.66   +611    +4.98% 

4.EURJPY↑147.64  140.66   +698    +4.73% 

5.AUDNZD↓1.0838  1.1286  -448    -4.13% 

6.CADJPY↑103.84   99.71   +413    +3.98% 

7.AUDUSD↓0.8502  0.8798  -296    -3.48% 

8.GBPJPY↑185.57  179.65   +592    +3.19% 

9.AUDCHF↓0.8211  0.8469  -258    -3.14% 

10.GBPNZD↓1.9942  2.0519  -577    -2.89%

通貨ペアの分解結果は以下の通りです。
上昇通貨 ⇒ NZD(3回),USD(2回),CHF(2回),EUR,CAD,GBP
下落通貨 ⇒ JPY(6回),AUD(3回),GBP

月を通して見ればやはり円安。そしてコモディティ市場に足を引っ張られる豪ドルの下落と言う総括になりそうです。

Top FX Movers of the Week.(Nov.24th - Nov.28th.2014)

2014年11月24日(月)~11月28日(金)の週次ベースでの主要通貨動向です。

  通貨ペア  週終値 週始値 変動(pips) 変動(%)
1.USDCHF↓ 0.8211   0.8400   -189  -2.30% 

2.EURAUD↑1.4627   1.4294    +333  +2.28% 

3.EURCAD↑1.4213   1.3915    +298  +2.10% 

4.CADCHF↓0.8453   0.8630    -177  -2.09% 

5.AUDUSD↓0.8502   0.8666    -164  -1.93% 

6.GBPAUD↑1.8377   1.8066    +311  +1.69% 

7.USDCAD↑1.1418   1.1229    +189  +1.66% 

8.GBPCAD↑1.7867   1.7587    +280  +1.57% 

9.AUDNZD↓1.0838   1.0990    -152  -1.40% 

10.AUDJPY↓ 100.83   102.07   -124  -1.23% 

通貨ペアの分解結果は以下の通りです。
上昇通貨 ⇒ CHF(2回),EUR(2回),USD(2回),GBP(2回),NZD,JPY
下落通貨 ⇒ AUD(5回),CAD(4回),USD

コモディティ通貨の劣勢が際立っていますね

The Final Round Rush : How They Finished the Week.

2014年11月28日(金)の北米時間における最後の4時間の主要通貨動向です。

    通貨ペア    終値    始値  変動(pips) 変動(%)
1.NZDCAD↓ 0.8949   0.8972  -23  -0.26% 

2.AUDCAD↓ 0.9710   0.9730  -20  -0.21% 

3.USDCAD↓ 1.1418   1.1437  -19  -0.17% 

4.GBPNZD↑ 1.9942   1.9909  +33  +0.17% 

5.NZDJPY↓   92.97    93.12   -15  -0.16% 

6.GBPUSD↑ 1.5647   1.5622  +25  +0.16% 

7.AUDJPY↓ 100.83   100.98  -15   -0.15% 

8.NZDCHF↓ 0.7568   0.7579  -11   -0.15% 

9.EURNZD↑ 1.5867   1.5847  +20   +0.13% 

10.GBPCHF↑1.5110   1.5093  +17   +0.11%

通貨ペアの分解結果は以下の通りです。
上昇通貨 ⇒ CAD(3回),GBP(3回),JPY(2回),CHF,EUR
下落通貨 ⇒ NZD(5回),AUD(2回),USD(2回),CHF

2014年11月23日日曜日

Review of the Week.(Nov.17th - Nov.21st.2014)

2014年11月17日(月)~11月21日(金)の週の簡単なReviewです。

Stocks : Central Banks are Right Behind.

所与の条件で出尽くし感が出て株式市場が調整モードとなると、どこかの中央銀行が追加緩和をほのめかしたり、実施したりして新たな息吹を吹き込む展開が続きます

10月末の日銀の追加緩和は黒田バズーカなどと言われますが、先週も中国のサプライズ緩和やECBドラギ総裁からは追加緩和の決意表明的な発言がありました。
DAX30 DAILY

FT100 DAILY
US DOW DAILY
US SP500 DAILY
NIKKEI DAILY
欧州株の復活も顕著です。

米株はどこまで高値を更新し続けるのでしょうか

1万7千円台の日経平均も今後は選挙結果などに振らされそうですが、基本的には世界的に株式市場は上昇軌道を維持している状況のまま11月最終週に入ります

USDJPY : Just Missed 119.

先週のドル円は116円台でスタートし、117円台を通過して118円台も駆け上がり118円97銭or98銭と言う119円あと一歩と言う水準までドル高円安が進行しました。
USDJPY DAILY

10月末は107円台だった訳ですから11月に入って12円近く上昇したということになりそうです。

麻生財務大臣の円安が速すぎるという発言などで小反落していますが、株式市場が堅調なこともあり大きく下落する環境にはなさそうですね。

11月最終週、さらに12月ですが総選挙などもありVolatilityが大きく萎む流れは予想しにくいですね。

輸出が売れてるかどうかは関係なく(売れてなくても問題はないので)、気になるのは輸入が買えているかどうかですね・・・

社内の採算レートと実勢相場の乖離が広がる中で動きが取れないと言うような状況が生じていなければ良いのですが・・・・

Commodities : Looking Up for the Year-end?

商品市場が中国のサプライズ緩和などを受けて反発の兆しあり・・・でしょうか。
Crude Oil Daily

原油は下げ渋っているところで少しSqueeze気味の動きですね。

Gold Daily
Goldの方が底打ち反転の雰囲気は強いです。オンス単価で1,200ドルのところまで来ましたね。

Silver Daily
Silverも追随です。16ドル台ですね。

米ドル独歩高と言う流れが徐々に変わってきているので、コモディティ市場も一息つく流れが出来やすい状況ではあります。

強気目線で見ていきましょう

EURCHF : Treading Water.

注目のEURCHFですが、神経戦となっていますね
EURCHF DAILY

反発の機を伺いながら上昇分を維持できずに上髭を残して危険地帯へ戻されるような展開が続いています。

スイス中銀も1.20防衛の意志を繰り返し表明しており、やがて時間切れ→上昇という流れを予想する人も増えてきました

先週は陽線が多いですが、いずれの方向でも髭ばかりで実体部分が非常に短いローソク足が5本並びました。まさに神経戦ですね、これは。

日本は三連休ですが、注意しましょう。

Top FX Movers of the Week.(Nov.17th - Nov.21st.2014)

2014年11月17日(月)~11月21日(金)の週次ベースの主要通貨動向です。

    通貨ペア  週終値 週始値 変動(pips) 変動(%)
1.CADJPY↑ 104.88  102.99  +189  +1.80% 

2.EURCAD↓ 1.3915  1.4136  -221  -1.59% 

3.CADCHF↑ 0.8630  0.8495  +135  +1.56% 

4.AUDCAD↓ 0.9732  0.9875  -143  -1.47% 

5.USDJPY↑  117.80  116.30  +150  +1.27% 

6.GBPJPY↑  184.49  182.23  +226  +1.22% 

7.EURUSD↓ 1.2391  1.2521   -130  -1.05% 

8.USDCHF↑ 0.9693  0.9592   +101  +1.04% 

9.GBPCHF↑ 1.5182  1.5032   +150  +0.99% 

10.EURGBP↓ 0.7911  0.7988    -77   -0.97% 

通貨ペアの分解結果は以下の通りです。
上昇通貨 ⇒ CAD(4回),USD(3回),GBP(3回)
下落通貨 ⇒ JPY(3回),EUR(3回),CHF(3回),AUD

米、英、加が上昇。日、欧が下落と言う週でした。

The Final Round Rush : How They Finished the Week.

2014年11月21日(金)の北米時間における最後の4時間での主要通貨動向です。

     通貨ペア   終値    始値 変動(pips) 変動(%)
1.AUDCAD↓ 0.9732  0.9754  -22  -0.23% 

2.NZDCAD↓ 0.8848  0.8867  -19  -0.21% 

3.AUDCHF↓ 0.8400  0.8418  -18  -0.21% 

4.GBPAUD↑ 1.8066  1.8030  +36  +0.20% 

5.NZDCHF↓ 0.7641  0.7653  -12  -0.16% 

6.EURAUD↑ 1.4294  1.4272  +22  +0.15% 

7.GBPNZD↑ 1.9862  1.9832  +30  +0.15% 

8.AUDUSD↓ 0.8666  0.8678  -12  -0.14% 

9.AUDJPY↓  102.07  102.20 -13  -0.13% 

10.EURNZD↑ 1.5717  1.5698  +19  +0.12% 

通貨ペアの分解結果は以下の通りです。
上昇通貨 ⇒ CAD(2回),CHF(2回),GBP(2回),EUR(2回),USD,JPY
下落通貨 ⇒ AUD(5回),NZD(5回)

2014年11月17日月曜日

Well-Tuned EIGO : Something's Got to Give.

EURCHFが1.20で越週した様子を見て、思わずこの言葉が想起されました。

Something's Got to Give.

歌の歌詞や映画の題名にもなっていたと思いますが、色々な形で用いられます。

2014年11月16日日曜日

EURCHF : Something's Gotta Give Now.

注目のEURCHFですが、遂にSNB(スイス中銀)は許容の下限とする1.20水準まで下落・・・・というかそこに引き寄せられたかのように・・・・して越週しています。
EURCHF DAILY

今週の台風の目はこれかもしれません。

ダムが決壊するような下落があるのか・・・・人々が忘れかけていた力が大きく持ち上げるのか

或いはもしかしたら既に・・・・?

Stay Tuned.

Review of the Week.(Nov.10th - Nov.17th.2014)

2014年11月10日(月)~11月17日(金)の週の簡単なReviewです。

Commodities. : Making small Statements.

金曜日の北米時間の米ドルの調整時には原油や貴金属にも大きめの反発が見られました。
久しぶりですが・・・

USDJPY : Now Above 116 Mark.

ドル円が断続的に新たな材料をFeedされては着実に上値を更新する展開が続きます。
USDJPY DAILY

遂に116円台ですが、なかなか反転する気配が見られませんね。

先週も相応に輸出企業の売りが出ていますが、週末が視野に入ると下で待っていた輸入勢が待ちきれずに持ち上げてしまうと言う展開でした。

消費税率の引上げ(8%から10%)の延期がほぼ間違いないと言う状況もドル円と日経平均を押上げました。

解散総選挙の可能性も高まりますが、これも円安材料という側面が強調されており、不透明感が強まる事による調整圧力も今のところは強くない感じです。

先々週に115円超え、先週に116円超えという展開ですが・・・・今週はもしかして・・・?

Currencies : Stepping on JPY.

先週は金曜日の北米市場で米ドル上昇に大きめの調整がありましたが、それでもドル円が116円台を維持した結果、対ドルでしっかり反発した他通貨は対円で大きく上申しています。

Top FX Movers of the Week.(Nov.10th -Nove.14th.2014)

2014年11月10日(月)~14日(金)の週次ベースの主要通貨動向です。

    通貨ペア  週終値 週始値 変動(pips) 変動(%)
1.NZDJPY↑  92.00    88.78   +322  +3.50% 

2.GBPNZD↓1.9801   2.0474  -673  -3.40% 

3.AUDJPY↑101.72   98.88    +284  +2.79% 

4.GBPAUD↓1.7909  1.8390   -481  -2.69% 

5.CHFJPY↑ 121.20  118.61   +259  +2.14% 

6.NZDUSD↑ 0.7910  0.7743  +167  +2.11% 

7.GBPCHF↓1.5032  1.5331   -299  -1.99% 

8.EURJPY↑ 145.61  142.75   +286  +1.96% 

9.CADJPY↑ 102.99  101.13  +186   +1.81% 

10.EURGBP↑ 0.7988  0.7846  +142  +1.78% 

通貨ペアの分解結果は以下の通りです。
上昇通貨 ⇒ NZD(3回),AUD(2回),CHF(2回),EUR(2回),CAD
下落通貨 ⇒ JPY(5回),GBP(4回),USD

The Final Round Rush : How They Finished the Week.

2014年11月14日(金)の北米市場における最後の4時間での主要通貨動向です。

    通貨ペア    終値   始値  変動(pips) 変動(%)
1.NZDUSD↑ 0.7910  0.7900  +10  +0.13% 

2.NZDCAD↑ 0.8929  0.8920   +9  +0.10% 

3.NZDJPY↑  92.00   91.91     +9  +0.10% 

4.EURNZD↓ 1.5822  1.5835  -13  -0.08% 

5.AUDNZD↓ 1.1052  1.1061   -9  -0.08% 

6.AUDUSD↑ 0.8747  0.8740   +7  +0.08% 

7.GBPUSD↑ 1.5669  1.5657  +12 +0.08% 

8.AUDCAD↑  0.9875  0.9868   +7  +0.07% 

9.NZDCHF↑ 0.7588  0.7583   +5   +0.07% 

10.GBPNZD↓ 1.9801  1.9814  -13   -0.07% 

通貨ペアの分解結果は以下の通りです。
上昇通貨 ⇒ NZD(7回),AUD(2回),GBP
下落通貨 ⇒ USD(3回),CAD(2回),JPY,EUR,AUD,CHF,GBP

2014年11月9日日曜日

Well-Tuned EIGO : Not For My Money.

慣用句の怖さに赤面した経験は数多く、本が書ける位だと自負(?)していますが、これもその一つです。

相場観や投資戦略の説明をしたあとなどに、相手から”Not for my money”と言われた事があります。

文字通り、「自分のお金をかけたくないね」と言われたのだと解釈し、Great ideaじゃなくて申し訳ないなどと返したと思うのですが、先日これが一種の慣用句であり、disagreementを意味するものだと知りました。

幸いにして無様な赤面ものの対応ではなかったと思いますが、このMoneyはお金を意味するものではなく”物の見方、考え方”と言う意味のようです。

Not for my money.  私はそうは思わない。賛成しかねる

と言う事であり、更に色々な形で使用できるようです。

For my money, it will rain tomorrow.
( 私の見立てでは明日は雨だね。)

For my money, this one is better.
(私に言わせれば、こっちのほうがいいね)

など・・・日本語の ”言わせてもらえば・・・” と言うのもこれで行けるでしょう

否定でも肯定でも使われるようですね。

語学学習においても、お金を舐めてはいけませんね

Review of the Week.(Nov.3rd - Nov.7th.2014)

2014年11月3日(月)~11月7日(金)の週の簡単なReviewです

EURCHF : Still Watching This.

スイス中銀の「1.20が我慢の限界」と言うメッセージにも拘らず、且つスイス中銀の本気度を信じた世界中の投資家達が・・・最近ではロボット(自動売買)まで・・・・ロングメイクを繰り返しているにもかかわらず不気味な停滞を続けるEURCHFですが、先週もすっきりしない不気味な上値の重さを露呈しています。
EURCHF DAILY

週足も1.2030を割っていますし、殆ど安値引け状態ですね。

スイス中銀の存在を考えなければ、無茶苦茶なベア相場という感じですが、実際にチャート上にトレンドラインを引いてみれば、右下がりのラインばかりになります


EURCHF DAILY
ドルの上昇、円の下落のタンデム相場はドル円の115円突破と言う大仕事を成し遂げましたが、どこかでEURCHFの1.20割れと言うイベントが大きな焦点となって来る展開もあるかもしれません

要注意、要注意・・・

Precious Metals : One Big Event for Gold.

貴金属価格も引き続き上値を圧迫されて推移中です。
GOLD DAILY
SILVER DAILY

最後に大きな陽線が出ていますが、この金曜日の特に金価格の反発は注目に値するでしょう

殆どのレポートで、4年半振りの安値圏からのショートカバーと説明されるに過ぎない反発ではありますが、ここからは貴金属は売りにくい状態が続くのではないかと予想しています。

売り難ければ、価格も下がりにくいのでショートポジションの縮小は断続的に反発を演出してくれるかもしれません。

その背景となるイベントは、スイスで月末に予定されている国民投票です。

簡単に言えば、中央銀行が保有する金の売却を制限することの是非を問う国民投票です。

多くの中銀に共通する事象として保有する金を売却する行為がありますが、実際に金の保有を増加させているのはロシアと中国くらいのものです。
 米国のTea Partyと呼ばれる保守勢力にも共通する部分がありますが、スイスにも中央銀行の金の備蓄高の継続的な減少に危機感を持つ勢力があり、それを制限する考え方に対する有権者の支持が広がっているという事です。それが今回の国民投票にもつながってきています

詳細はBloombergニュースで 
→ http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NELADI6K50YL01.html

これでスイス中銀が資産の最低2割を金で持つことが義務付けられると、金価格が反発する事は勿論ですが、スイスフランも急騰し、別項で指摘しているユーロスイスの1.20割れと言うリスクシナリオも急上昇することになるかもしれません

金融界に久し振りに”スイスの子鬼”と言う言葉が復活するかも・・・・しれませんよ。

Crude Oil : Dips Under $80 a Barrel.

原油価格は続落で、遂にバレル単価で$80を割り込みました。
Crude Oil Daily

流石に下げ渋りを感じる値動きにはなっていますが、サウジアラビアが米国向けの原油輸出に関する値下げに同意したという報道が足を引っ張っているようです。

原則的には世界景気を直接反映する鏡とも言われる原油価格ですが、ここまでの低迷は意外であると同時に実は世界経済にとっては大いなる福音であることも事実でしょう。

日本にとってもこれだけの急激な円安が進行する中で、原油価格まで上昇していたら実に大きなダメージがあったはずです。輸入物価の上昇とかエネルギー価格の上昇が物価上昇圧力になっているわけですが、これを素直に喜んでいるのは日銀の黒田総裁チームくらいのものであり、一般の消費者にとっては大変なことです

その中で起きている原油価格の値崩れなのですが、本当にこれがなければ原材料の値上がりによる物価上昇は相当進んでいた事でしょう。

ある意味で絶妙な配剤でもあった原油価格の低迷ですが、中東情勢などを考えれば反発リスクは無視出来ない訳で、色々な意味で注視していく必要があると思います

Stocks : Stepping on Mr.Obama.

株式市場は堅調モード継続。少し調整色も出ていますが、目先は大きめの調整も入りにくい勢いです。
米 DOW DAILY

米S&P500 DAILY
中間選挙の結果を受けて注目された米株の動向はオバマ民主党の歴史的敗北を喜ぶような上昇を実現しました。

もともと共和党の方がWall Street寄りの政策を取る傾向があり、且つ規制緩和などで民間の活力を重視する小さな政府思考ですので、共和党が上院下院の両方を制したことが好感される土壌はありましたが、まさに予想以上の値動きとなっています

同様の材料のない米国以外の市場も良い意味で米国追随バイアスが優先される値動きでした。

日経平均も調整は浅いですね。

それにしても大きなモメンタムの転換のあった株式市場ですが、黒田バズーカと呼ばれた日本の追加緩和も米中間選挙のオバマ民主党の大敗北も強気材料にして上昇エネルギーを維持してきました。
独DAX30 DAILY

追加材料のおねだり的な雰囲気も無いではない環境下で、息の長い強気相場に向けてどの程度の調整余地があるのかも注目していきたいところです。
英FTSE100 DAILY
NIKKEI DAILY

USDJPY : Eventually Broke Above 115 Mark.

ドル円の115円越えも見事な上昇でしたね。
USDJPY DAILY

これだけ動くとオプション市場のTriggerの話もよく話題になるのですが、ある意味ではそのこと自体も本当に久しぶりという気がしますね。

一定の条件を満たせば徳栄の権利(オプション)が発生したり、逆にすでに存在している権利(オプション)が消滅してしまうというのが所謂Exotic Optionと言うものですが、一番わかりやすいのが市場がある水準に到達すると権利が発生したり消滅したりする取引であり、その水準をTrigger(引き金)と読んでいるのですが、110円を越えたあたりから断続的にこのTriggerが集中するポイントを突き抜けて上昇してきました。

Triggerタイプのオプション取引は、権利が発生するよりも消滅するタイプの方が圧倒的に取引量が多いと思われますが、その意味では多くの市場参加者が様々な権利を喪失しながらこの相場に向き合ってきています

投機筋もこういう情報はよく把握していて(或いは思い込みが共有されていて)、関係ないのに他人の権利を消す方向に加勢する傾向があり、115円超えもそういう流れの中で実現していると言う背景があります。

悲喜交々のドル円上昇ですが、このストーリーはまだ序盤戦である可能性もあるところが恐ろしいところですね。

Top FX Movers of the Week.(Nov.3rd - Nov.7th.2014)

2014年11月3日(月)~11月7日(金)の週次ベースの主要通貨動向です。

    通貨ペア  週終値 週始値 変動(pips) 変動(%)
1.USDJPY↑ 114.62   112.31  +231  +2.02% 

2.AUDUSD↓0.8626   0.8798  -172  -1.99% 

3.CHFJPY↑ 118.61   116.66  +195  +1.64% 

4.AUDCHF↓ 0.8334  0.8469  -135  -1.62% 

5.EURJPY↑ 142.75   140.66  +209  +1.46% 

6.NZDJPY↑  88.78    87.50   +128  +1.44% 

7.CADJPY↑ 101.13   99.71   +142  +1.40% 

8.EURAUD↑1.4431   1.4229  +202  +1.40% 

9.AUDNZD↓1.1132   1.1286  -154  -1.38% 

10.AUDCAD↓0.9775   0.9909  -134  -1.37% 

通貨ペアの分解結果は以下の通りです。
上昇通貨 ⇒ USD(2回),CHF(2回),EUR(2回),NZD(2回),CAD(2回)
下落通貨 ⇒ JPY(5回),AUD(5回)

何が上がったというよりもJPYとAUDが弱かった週という総括でしょうか。

The Final Round Rush : How They Finished the Week.

2014年11月7日(金)の北米時間における最後の4時間での主要通貨動向です。

    通貨ペア    終値   始値 変動(pips) 変動(%)
1.USDCHF↓ 0.9661  0.9681  -20  -0.21% 

2.AUDCHF↓ 0.8334  0.8350  -16  -0.19% 

3.EURUSD↑ 1.2454  1.2432  +22  +0.18% 

4.USDCAD↓ 1.1330  1.1348  -18  -0.16% 

5.CHFJPY↑ 118.61   118.43  +18  +0.15% 

6.AUDNZD↓ 1.1132  1.1148  -16  -0.14% 

7.AUDCAD↓ 0.9775  0.9788  -13  -0.13% 

8.GBPUSD↑ 1.5867  1.5846  +21  +0.13% 

9.EURAUD↑ 1.4431  1.4413  +18  +0.12% 

10.EURJPY↑ 142.75  142.58  +17   +0.12% 

上記通貨ペアの分解結果は以下の通りです。
上昇通貨 ⇒ EUR(3回),CHF(2回),CAD(2回),USD,NZD,GBP
下落通貨 ⇒ AUD(4回),USD(3回),JPY(2回),CHF

結構調整的な動きで終わっていますね。

2014年11月3日月曜日

Well-Tuned EIGO. : Run for One's Money.

好きなボクサーの一人にガーナ出身のIke Quarteyと言う選手がいます。


Delahoya選手などとも名勝負を繰り広げましたが、流石に米国のスター選手との試合の多くは僅差の判定で敗れることが多く、スーパースターと言う領域にまでは手が届きませんでしたが全盛期の無敵ぶりは凄かったです。

アフリカ系の選手はガードを高く上げて速くて硬いジャブを連発し、相手を弱らせてからビッグパンチで仕留めるスタイルが多いのですが、Quartey選手もその教科書的なスタイルでした。

最近見たタイトルマッチで、解説者がアフリカ系のボクサーは名選手も多く、その時々のスーパースター達とも好敵手として名勝負を繰り広げてきた事・・・勝ちはしなくても互角の勝負を繰り広げてきた・・・を解説していました。

その時の表現がこんな感じでした。

African boxers gave them(=superstars) a good run for their money.

この give someone a (good) run for one's money = 互角に戦う、善戦する、健闘する と言う言い回しは汎用性があるようです。

試合では、挑戦者がハードパンチャーの王者に対して逃げずに打ち合いを挑んだのですが、その様は、The challenger brought the fight to the champion. と語られていました。

bring the fight to someone で 正々堂々と戦う と言うことなのですね。

市場でもお金(Money)の戦いがあります。最低でも善戦(a run for my money)出来るよう頑張りましょう。

Well-Tuned EIGO. : On the Up and Up.

(米)株価もドル円もリーマンショック前の水準をクリアしたところで、当時の財務長官だったTim Geithner氏が回想録のようなものを出版する準備をしていると言う話が出てきました。

当時彼が未曾有の状況下で相当苦労したことは想像に難くないのですが、その内容はClinton政権に対してもかなり批判的な内容も含んでいるとのことです。

He minces no words in railing against a corrupt environment of Washington D.C.

mince no words は言葉をminceせずに率直に話す事で、rail against は強く批判する事ですね。
rail againstは語感的にも”柵を建てる”、”一線を画す”イメージが出ていますね。

国会議員に対する批判の部分で英語らしい表現と感じたのは、誰も真剣な議論などしていなかったと言う意味のことを以下のように表現していました。

No questions were really ever asked with the purpose of being answered.

これも痺れますね。質問のための質問なかりで真剣な質疑ではなかったというのですから。

恥ずかしながら調べないと分からなかったのは以下の英語です。

Nothing with Congress was on the up and up. Only the slimmest pretense of seriousness.

on the up and up と言うのは、公正な、正直な、誠実な と言う意味でした。2つ目の文が補足説明になっていますが、Upの対比はDownなのですが、Up and Up と言う事で”裏表がない”、”言動一致”みたいなイメージだと思えば記憶しやすいかな・・・・と思いました。

基本単語の組み合わせの奥深さを感じますね。

2014年11月2日日曜日

Well-Tuned EIGO. : Quick on the Draw.

著名なストラテジストの書いた文章の中で、この表現に出会いました。

文脈的には、このストラテジストがパーティ会場か何かで出会った投資家が断言口調で語った事に対して強い違和感を持ったと言う流れの話でした。

金融市場の予測ほど当てにならない物はないのだから普段は聞き流してしまうのに、何故かこの時には面と向かって反論を展開したくなったと言う事なのですが、

I am usually not quick on the draw but ........... 

と続く文章でした。

Be quick on the draw と言うのは改めて調べてみると、拳銃や刀などの武具を鞘などから抜くのが素早いという事のようで、意味するところは、゛喧嘩っ早い゛、゛理解が速い゛、゛機転が利く゛などと広がっていくようです。この辺は文脈で判断ですね。

金融市場は潮流が目まぐるしく変化する事も多く、朝令暮改も是とする世界でもありますが、まさに状況に応じて適切に対処していくと言うのもこの Be Quick On the Drawと言う表現で行けそうですね。

と言う事で、11月も Be quick on the draw !!

Review of the Week.(Oct.27th - Oct.31st. 2014)

2014年10月27日(月)~10月31日(金)の週の簡単なReviewです。

Global Stocks Jumped on BOJ Easing. : Kuroda Pulled the Bazooka Trigger.

日銀の追加緩和により日経平均は7年振り高値へ急騰。単日の上昇幅も755円56銭と言う凄まじさでした。

JPY : Taking a Nose-Dive.

USDJPYが109円台から112円台まで上昇一日の間にこのペアのBig Figure(大台)が4つも変わるなんていつ以来なのでしょうか?

US Market : Great Inflection of Stocks and Currency.

US Dollar Index

US DOW.

先週はFOMCがQE3を終了する一方で、BOJが追加緩和を決定するという絶妙の合わせ技でした

米株はDowが最高値を更新し、S&P500も終値ベースの最高値を更新しました
通貨市場では、米ドルがConsolidation期間を終了した模様で一気に上昇に転じてきました。

それにしてもチャートはどちらも見事すぎる切り返しとしか言い様がない鋭角的な動きでした。

それだけ市場が不意を突かれたという事なのでしょうが、日銀のサプライズ緩和が月末だったこともあり、株もドルも極めて強い月足を記録することになりました。

中期トレンドの修復・・・と言うことにもなりそうなのですが、日米当局の連携にしても独立事象が重なっただけにしても記録上も記憶上も強烈なインパクトを残した週だと言えるでしょう

11相場・・・要注目ですね。

BOJ Additional Easing : How Currencies Reacted to Kuroda.

2014年10月31日(金)・・・・週末且つ月末という節目に日銀黒田マジックが炸裂。

不意を突かれた市場は北米時間終了まですったもんだの展開となりましたが、この日の主要通貨は以下のような反応となりました。

    通貨ペア   終値    始値  変動(pips) 変動(%)
1.USDJPY↑ 112.31  109.19  +312  +2.78% 

2.GBPJPY↑ 179.65  174.72  +493  +2.74% 

3.AUDJPY↑  98.81    96.45  +236  +2.39% 

4.NZDJPY↑  87.49    85.62  +187  +2.14% 

5.CADJPY↑  99.71    97.58  +213  +2.14% 

6.CHFJPY↑ 116.66  114.21  +245  +2.10% 

7.EURJPY↑ 140.66  137.72  +294  +2.09% 

8.EURUSD↓ 1.2525  1.2612   -87  -0.69% 

9.USDCHF↑ 0.9624  0.9558   +66  +0.69% 

10.EURGBP↓ 0.7829  0.7881   -52  -0.66% 

通貨ペアの分解結果は以下の通りです。
上昇通貨 ⇒ USD(3回),GBP(2回),AUD,NZD,CAD,CHF,EUR
下落通貨 ⇒ JPY(7回),EUR(2回),CHF

流石に短日の値幅としては突出していますね。円安が主役ですが、どれだけBig Figureが変化したかを見ると一層実感が湧きます。

USDJPY ⇒ 109円台~112円台 4 Big Figures
GBPJPY ⇒ 174円台~179円台 6 Big Figures
・・・・・・

繰り返しますが、一日のあいだでUSDJPYが4つ、GBPJPYが6つのBig Figure(大台)に跨る動きをしているというのは物凄いことですよね

EUR Crosses : Trying Central Bank's Patience Again.

米ドル上昇の中でもやはりEURの下落が大きく、欧州域内クロス取引でもEURの劣勢が目立っています
EURGBP DAILY

こうなると気になるのが、EURCHFです

EURCHF DAILY
先ずは週足の水準が1.20台ミドル近辺であること。更に金曜日のロウソク足が長い上髭を目立たせながらの陰線であることが非常に気になるところです

1.20が完全に視野に入っており、スイス中銀の決意を試しに行くような展開としか言い様がありませんね。

米日に続き、次に為替市場に一石を投じる中央銀行はスイスである可能性も頭に入れておきましょう

Precious Metals : To the Chagrin of Increasing Bulls....

底打ち期待もあり買い推奨も随分増加していた貴金属ですが、先週は結局は下に抜ける展開でした。
GOLD DAILY

金価格はオンス単価で$1,200も割ってきています

銀価格も同様です。


SILVER DAILY
こちらも$16台前半に入ってきましたね・・・

年末にかけて流動性のない市場からは資金が流出する時間帯に入るので商品市場は全般的に守勢に回りやすいと思われますが、貴金属相場の苦戦も短期終結と言うシナリオは描きにくいのでしょうね。

Top FX Movers of the Month of October 2014.

2014年10月の月次ベースの主要通貨動向です。

     通貨ペア  終値  始値 変動(pips) 変動(%)
1.AUDJPY↑ 98.81   95.91  +290  +2.93% 

2.USDJPY↑112.31 109.64  +267  +2.38% 

3.NZDJPY↑ 87.49   85.61  +188  +2.15% 

4.GBPAUD↓1.8174 1.8529 -355  -1.95% 

5.CADJPY↑ 99.71   97.92  +179  +1.80% 

6.CHFJPY↑116.66  114.81 +185  +1.59% 

7.EURJPY↑140.66  138.49 +217  +1.54% 

8.EURAUD↓1.4229  1.4436 -207  -1.45% 

9.AUDCHF↑0.8469  0.8352 +117  +1.38% 

10.GBPUSD↓1.5996  1.6211  -215  -1.34% 

通貨ペアの分解結果は以下の通りです。
上昇通貨 ⇒ AUD(4回),USD(2回),NZD,CAD,CHF,EUR
下落通貨 ⇒ JPY(6回),GBP(2回),EUR,CHF

日銀のサプライズ緩和のあった最終日の影響で円が最弱通貨となりましたが、殆ど野球に例えるなら9回に大量得点を取られたというような展開でしたね。豪ドルが堅調なのも目を引く結果となっています。

Top FX Movers of the Week.(Oct.27th - Oct.31st.2014)

2014年10月27日(月)~10月31日(金)の週次ベースの主要通貨動向です。

    通貨ペア  週終値 週始値 変動(pips) 変動(%)
1.AUDJPY↑  98.81    95.11   +370   +3.74% 

2.USDJPY↑ 112.31  108.14   +417   +3.71% 

3.CADJPY↑  99.71    96.19   +352   +3.53% 

4.GBPJPY↑ 179.65  173.91   +574   +3.20% 

5.NZDJPY↑  87.49    84.91   +258   +2.95% 

6.CHFJPY↑ 116.66  113.54   +312   +2.67% 

7.EURJPY↑ 140.66  136.99   +367   +2.61% 

8.EURAUD↓ 1.4229  1.4400  -171   -1.20% 

9.EURUSD↓ 1.2525  1.2668  -143   -1.14% 

10.AUDCHF↑ 0.8469  0.8374   +95   +1.12% 

上記通貨ペアの分解結果は以下のとおりです。
上昇通貨 ⇒ AUD(3回),USD(2回),CAD,GBP,NZD,CHF,EUR
下落通貨 ⇒ JPY(7回),EUR(2回),CHF

FOMCとBOJが相場を動かした週でした。FOMCがUSDを上昇軌道に戻し、BOJがJPYを下落軌道に戻した訳ですが、前者はほぼ想定範囲内であったのに対して後者は完全に想定外でしたので市場の反応も急激且つ大規模でした。