2013年7月7日日曜日

Precious Metals : After the Worst Quarter in 40 Yrs.

貴金属価格も反発の機会が見出せぬままにずるずると値下がりを続けている感じです。

Gold価格は、2011年9月に史上最高値を更新しましたが、その後先週までの間に実にほぼ40%もの下落を記録しました。2013年の4月~6月の3ヶ月でも26%の下落となっており、これは少なくとも過去40年間では最悪の四半期と言うことになります。つまり先週は最悪の四半期が終了した後の新たな四半期の開始週に大きく下げたと言う事です。
GOLD DAILY ⇒ Bottoming Process or just Bearish?
SILVER DAILY ⇒ Hanging in?


ここでも問題となるのはレバレッジのようです。非常に皮肉な展開だと感じていますが、少し前までは将来のGold価格急騰の絶対要因として指摘されていた強気材料こそが、今ここで弱気相場の現況となっていたと言う側面がありそうです。
 強気材料としては、発行、流通されているGoldのPaper Asset(ETF,関連株)は現物の量をはるかに超越しており、実際的にはDelivery(受け渡し)不能なボリュームの取引が行われている以上、どこかで強烈な現物争奪戦が不可避であり、これがパニック的な価格上昇を齎すと言うシナリオでした。これは十分ロジカルな論拠であり、大きなレバレッジをかけたPaper Assetが買われ続けました。
 これらPaper Assetの価格は,現物価格が調整しても下げ渋る展開となり、それが更に購入意欲を煽る局面もありましたが、現物との価格乖離が拡大する中で、業界内では相当熱い議論の的でもあったのですが、最近は米国のQE3の縮小議論を筆頭にそもそも貴金属を買って置くべしと言う根拠を揺るがす動きが強調されてきた事や、アベノミクス相場と言うより判りやすい投資テーマの出現などもあってか、Paper Assetからの資金流出が加速度的に進行してきました。元々流動性が潤沢ではない市場に相当レバレッジの掛かったポジションが積み上がっていた訳ですから、これは上述のような大きな値崩れを演出する結果と成ったのだと思います。

今後の動向ですが、どうやら現物とPaperの価格差が相当縮小し、且つ先物市場などでは逆にレバレッジの掛かった空売りのポジション建ても相当膨れ上がってきている模様です。6月中からパラパラと早目の買いシグナルが出ていましたが、ここへ来て過去10年に一度程度のペースでしか出ていなかった業開通と言われるソースから機関投資家向けの買い推奨も出ている模様です。一旦は少なくとも小反発の機会、中長期的保有なら買い始めても良い時期に来ているのかもしれませんね。