先週のFOMCでQE縮小が無かった事に関しては様々な背景分析が行われていますが、ここでは英語表現に着目してみましょう。
・TAPERING-OFF
⇒このBLOGにも書いた事がありますが、TAPERING観測の中で登場した言葉にTOTOと言う言葉があります。洗面台やTOILETメーカーの名前の様でもあり、有名なロックバンドの名前の様でもありと言う感じですが、TOTO = TAPERING-ON / TAPERING-OFFの事です。
一部でRISK-ON / RISK-OFFがROROと表記されるように、TAPERINGのON/OFFがTOTOと表記されるようになった訳ですね。今回はTAPERINGの見送りと言う事で、TAPERING-OFFと言う活字が踊ったと言う訳です。
ところで・・・・業界では今回のTAPERING(=QE縮小)に関しては、実施は確実でその規模・程度を予測するゲームが盛んでしたので、ゼロ回答と言うのは大変な驚きでした。業界大手で私が最も信頼しているワシントンベースのアナリストも最初のレポートの冒頭で以下の様な謙虚な一文を入れていました。
There is no way to say this but we were wrong.
⇒もう我々が間違っていた(予測を外した)と言う以外に表現のしようもありません。
・Ben Bernanke saw his shadow this week.
⇒別の投資会社のレポートの冒頭です。正直私も何の事かと思いました。世間の予想や市場の織込みを裏切る形で今回のQE縮小を見送った事が何故上記のような英文で表現されるのでしょうか?
このレポートを読んでいくうちにそのヒント(というか殆ど回答ですね)がありました。次の一文がそれです。
It's like Groundhog Day.
Groundhogと言うのはモルモット系の動物で、冬眠から覚めると一度出てきて季節を確認すると言う習性があるそうです。我々が明け方に目が覚めたら時計を見るようなものですね。動物には時計が無いので、穴から出て立ち上がり、自分の影の長さや形を確認して季節を確認すると考えられているようです。陽が十分に高い春夏なら影が出来ず、まだ冬なら陽が低いので影が出来る訳で、自分の影がはっきり見えるようなら穴に戻って冬眠を続けるのですね。つまり、自分の影が見えたら、The time has not come yet.⇒時期尚早と判断すると言う事です。
これに例えて、Bernenke議長がQE縮小開始の機が熟していないと判断した事を、”議長は自分の影を見た(Groundhogのように)”と表現していた訳です。
奥が深いというか、面白いですね。