11月25日(月)~29日(金)の週の簡単なReviewです。Thanksgiving週でしたので大きな変動はありませんでしたが資金流入が継続した領域や調整的な動きに支配された領域がありました。
1 Key Events.
①地政学要因
・イランと国際社会が核開発で歴史的合意。
⇒イランは核兵器製造をしない事を確約。
イランはウラン濃縮の継続権利を確保。
経済制裁は緩和へ(原油、自動車部品、貴金属)
⇒欧米諸国とイランの30年に渡る断行も雪解けへ。
・中国が東シナ海周辺海域に防空識別圏を設置・公表。
⇒台湾、韓国、日本の防空識別圏と重複する領域。
②欧州
・Hansson(理事会メンバー/Estonia中銀総裁)
⇒17ヵ国のインフレは低水準に留まり追加緩和も排除せず。
・Asmussen(同エグゼクティブメンバー)
⇒必要に応じた追加措置も必要。
ネガティブデポジットも選択肢。
(中銀預金をマイナス金利にする事)
・Noyer(理事会メンバー)
⇒低インフレの長期化を懸念。
緩和政策の継続と追加施策を示唆。
・独に新連立政権誕生へ。
⇒Merkel首相のキリスト教民主・社会同盟と
社会民主党(最大野党)が次期政権樹立で合意。
・ECBが新LTRO導入を検討。銀行貸出増加が条件。
・S&Pがオランダを格下げ。AAA⇒AA+。
⇒欧州圏のAAA国は独,フィンランド,ルクセンブルグの3国へ。
⇒スペインのOutlookはNegative⇒Stableに格上げ。
⇒キプロスもCCC+⇒B-へ格上げ。
・スイス11月KOF指数⇒1.85に上昇。2011年7月以来高水準。
・欧州圏11月CPI⇒+0.9%(yoy)。予想を上回る水準。
・独10月小売売上高⇒▲0.8%(mom)。
③日本
・日銀黒田総裁
⇒物価上昇2%は意欲的な目標。
2014年後半から2015年序盤に達成の目論見。
超緩和政策を必要なだけ継続。
状況に応じた見直しも柔軟。
・10月政策決定会合議事録
⇒9理事中3理事が中期見通しに異議。
上振れ・下振れリスクが均衡との記述に違和感。
④CFTCデータ(11月19日基準)
・円ショートポジションが急増。
⇒Contract数は112.2千で2013年中で最大。
・ユーロロングは4週連続減少。
⇒Contract数は2013年の最大値72.4千(10月)⇒8.9千へ。
⑤米国
・10月建築許可件数⇒+6.2%。2008年6月以来高水準。
・Case-Shiller住宅指数(20都市)⇒9月は+13.3%(yoy)。
・失業保険申請件数⇒11月23日の週は316千件に減少。
・10月耐久消費財受注⇒▲2%(予想▲1.5%)。
⑥豪州
・RBA 副総裁
⇒為替介入は伝統的な政策オプション。
ただし執行へのハードルも高い。
⇒一層の生産性向上が望めなければ豪州経済は現状より
減速する諸条件(成長、賃金、資源価格など)への適応が
必要と警鐘。
2 金融市場
①株式市場 / 債券市場
・G3株式市場が好調を維持。
⇒米株続伸⇒DOW$16,174.51、S&P500$1,813.55で最高値更新。
⇒独DAX9,424.62ユーロの最高値更新。
⇒日経平均⇒15,627円の年内最高値。
2007年12月以来の6年ぶり水準。
・債券市場はもみ合い
⇒米10年債利回りは2.741%、30年債券は3.808%で越週。
先週より若干の金利低下。
②商品市場
・総じて小動きのレンジ内推移。
⇒原油価格はイラン合意で売られるも前週から売られていた分
買戻しも目立つ展開⇒実は事前リーク疑惑が濃厚。
⇒貴金属は売り先行から週末に小反発で横ばい。
③為替市場
・ドルインデックスは横ばい。80.50水準を維持。
・円安継続。⇒結局11月は対GBPで6%、対ユーロで4%円安に。
・コモディティ通貨、資源国通貨は小反発。
⇒11月総括としては円安の次に資源国通貨安と言う結果に。